時代はインターネットから情報を高度に活用するインテリジェンスになり、さまざまな業界で崩壊が起こる――12の業界で委託生産事業を展開するFlexの最高経営責任者(CEO)Mike McNamara氏は予言する。そのためには、変化を受け入れるカルチャー、そして変化を実現するシステムが必要という。
人事クラウドのWorkdayが10月、米シカゴで開催した「Workday Rising 2017」で、McNamara氏がWorkdayを選んだ理由、リスクをとる文化への変換などについて話した。
Flexの最高経営責任者(CEO)Mike McNamara氏
Flex(旧社名:Flextronics)は、浮き沈みと移り変わりの激しい業界を肌で感じてきた。2006年、同社がMotorolaから請け負って製造していた超薄型の折りたたみ式携帯電話「LAZR」は世界で最も売れる端末の1つだった。だが、2007年に「iPhone」が登場、携帯電話市場は全く違うものとなり、Motorola2008年に分社化計画を発表した(実際の分社化は2011年に完了、その後Googleを経て、現在Lenovo傘下にある)。
だからこそ、McNamara氏が「変化の受け入れが重要」という時、その言葉は実感を持って響く。McNamara氏の変化の法則は、カルチャーとシステム、つまり変化を受け入れるカルチャーとそれを実現するシステムの両輪で回すというものだ。
Flexは携帯機器、通信機器、ウェアラブル、自動車、医療など12の産業で設計、製造、ディストリビューション、サービスを請け負う。30億ドル事業になっている自動車では、4割がFlexの技術を利用しているとのことだ。年間売上高は約239億ドル(同社会計年2017年度)、世界30カ国に100の拠点を持ち、20万人の従業員を抱える。
Workday導入に踏み切ったのは、2007年。買収により人事システムがバラバラ(約80種)という課題を解決するためだ。同社は変化に迅速に対応するため、平均すると年に5〜10の工場を閉鎖あるいは開設している。今年は15の工場を閉鎖・開設したとMcNamara氏。当然人も動いている。年に12万5000人の社員が入れ替わっており、従業員のトレーニング時間は年間200万時間という。このような変化の激しい人事を1つのシステムに統一化するにあたって選んだのが、Workdayだ。