松岡功の一言もの申す

デジタル変革時代の到来を象徴するメガバンクのリストラ

松岡功

2017-11-01 11:00

 みずほフィナンシャルグループ(FG)など3メガバンクがデジタル技術を活用して大規模な構造改革(リストラクチャリング)に乗り出したというニュースがここ数日、メディアをにぎわせている。この動き、企業におけるデジタル変革時代の到来を象徴するものではないか。

3メガバンクが大規模なリストラを実施へ

 新聞各紙などの報道によると、3メガバンクは大規模なリストラに向け、デジタル技術による効率化などにより、現在の職員数の3分の1にあたる3万2000人分に上る業務量を削減するという。

 支店の見直しについては、みずほFGが今後3年をめどに20〜30店舗を統廃合。三井住友銀行は支店業務のデジタル化を今年度からの3年で集中的に推進。三菱東京UFJ銀行も1〜2割の支店を統廃合させるとしている。

 「銀行の伝統的なビジネスモデルは構造不況化している。非連続な変革が必要だ」――。各紙はメガバンク首脳のこの発言をこぞって取り上げている。3メガバンクがこうした取り組みを記者会見などで公表するかどうかは不明だが、この発言からすると、相当大掛かりなリストラを推進する姿勢がうかがえる。

 とりわけ注目されるのは、金融とITを組み合わせたFinTechや人工知能(AI)をはじめとしたデジタル技術への積極的な取り込みが、リストラの原動力になっていることだ。デジタル技術を活用することで業務の効率化を図る一方、新たなビジネスを生み出して雇用シフトを図る思惑もあるようだ。

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