Gartnerのバイス プレジデント兼最上級アナリストのDavid Willis氏
ガートナー・ジャパンは10月31日から3日間、都内で「Gartner Symposium/ITxpo 2017」を開催している。初日に米Gartnerのバイスプレジデント兼最上級アナリストのDavid Willis氏が記者会見し、同社が10月3日に発表した「2018年以降にIT部門およびユーザーに影響を与える重要な展望『Gartner Predicts 2018』」に関して説明した。
同氏はまず、「数年前からGartnerは、『ビジネスのデジタル化』(Digitalization of Business)というトレンドについて指摘してきた」と語り、さらにデジタル化の意味について、「デジタル化は過去10年以上に渡って取り組まれてきた自動化のことではない。ビジネス自体の根本的な変革のことを意味する」とし、現在進行中のデジタル化の影響の大きさを強調した。
その上で同氏は、デジタル化の進行によってビジネス環境がどのような影響を受けることになるのか、さまざまな調査結果と予測を織り交ぜながら広範に紹介していった。
「Gartner Predicts 2018」の概要(出典:ガートナー ジャパン)
同社の将来展望として公表されているGartner Predicts 2018では、「2020年、人工知能(AI)は正味の新規事業を生み出す明確な要素となる。AIによって消える仕事が180万件であるのに対して、230万件が創出される。」(正味50万件増)、「2021年までに、ITスタッフの40%は複数の役割を担うバーサタイリストになり、その役割の大半は、テクノロジよりもビジネスに関わるものとなる」といった、働き方の大きな変化を予測する内容も含まれている。
なお同氏は、社内のアナリストを統括してこの予測をとりまとめた立場から、同社の未来予測の確度が現状80%程度だとした上で、「アナリストにはもっと攻めた予測をすることで、確度を60%まで下げるべきだと言っている」と述べている。