調査

8割が働き方改革に着手、ICTの積極活用は7%--日本オラクル調査 - (page 2)

藤本和彦 (編集部)

2017-11-02 07:00

企業の生産性が低い理由

 「生産性の向上」は働き方改革の主目的とされているが、阻害要因はどこにあるのだろうか。金氏はこの点について、(1)社員のスキル不足、(2)長時間の労働文化、(3)仕組みの不足の3点を挙げる。

生産性向上を阻む理由
生産性向上を阻む理由

 時間で管理する人事制度からの脱却や業務の負担を削減する仕組みの導入、業務の標準化や社員個人のスキル向上をなくして、労働時間の削減だけをしても効果は出にくいという。

 その裏返しとして、マネジメントの意識改革と就業時間に代わる生産性と評価制度の確率が生産性を高めるための施策として重要になる。生産性向上のための具体的な施策としては、「業務内容の見直し・削減」(52.2%)、「管理職の意識改革」(39.8%)、部門内外の連携強化(29.9%)、「給与面でのインセンティブ」(24.8%)、「時間ではなく成果による評価制度導入」(20.6%)がこれに当てはまる。

ICT活用は半数以下、「積極的」は7%

 働き方改革でのICT活用の現状として、「積極的」(7%)、「部分的」(37%)を合わせて計44%が何らかの形でICTを活用していると回答。具体的なツールとしては「経理・財務システム」(40.4%)、「グループウェア」(33.2%)、「ビデオ会議システム」(31.1%)が上位となった。

 「働き方改革においてICTを積極的に活用している企業は少なかった。また、オペレーション業務の作業効率化に投資していることも明らかになった」(金氏)

 一方、AI(人工知能)やRPA(ロボティックプロセスオートメーション)、IoT(モノのインターネット)といった最新技術が生産性向上に寄与するとの回答は76%に上ることが分かった。「最新テクノロジに対する期待は高い」(金氏)とした。

 働き方改革調査から得られた気づきとして、およそ49%の企業が働き方改革の目的を生産性向上に置いているものの、生産性を図る仕組みがない(77%)、業務を見直せていない(73%)、ICTによる業務削減を実施(5.7%)など、生産性向上への取り組みが十分とはいえない点や、社風・意識・コミットメントに課題(71%)、人事制度変革に取り組んでいる(8.2%)など積極的に現状を変えようという意識が低い点をまとめた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]