人工知能(AI)を搭載するバーチャルアシスタントはありふれたものになりつつあるが、これまでのところ、ほとんどのユースケースは主にコンシューマー分野を想定したものだ。Ciscoは「Cisco Spark Assistant」によって、そうした状況を変えたいと考えている。同社によると、Spark Assistantは会議用に開発された初めての企業向け音声アシスタントだという。
CiscoのTimothy Tuttle氏は米ZDNetに対し、「(音声アシスタントが)サポートする機能群が、スマートフォンや家庭用コネクテッドデバイスの分野における勝者と敗者を決定づけている。Ciscoはエンタープライズ分野でも同じことが起きると考えている。それが最初に起きる場所は、会議および共同作業用の機能だ」と述べた。
Amazonの「Alexa」のようなオープンプラットフォームでは、サードパーティー開発者が自らのアシスタント用にエンタープライズ向け機能を構築することが可能だ。しかし、Tuttle氏によると、「エンタープライズ分野で真に有用な音声アシスタントのバージョンのローンチに成功した企業は、まだ1つもない」という。「Spark Assistantは企業で広範に活用される最初のアシスタントになるはずだ」(同氏)
Spark Assistantは2018年初頭より、特定の機能を使用する少数の顧客向けに提供される予定だ。当初は、「Cisco Spark Room」シリーズで利用可能になり、その後、対象デバイスを拡大するという。
Spark Assistantは、CiscoによるMindMeld買収から生まれた。MindMeldはTuttle氏が創設した企業で、会話AI技術の分野における先駆者の1社だった。Spark Assistantは音声認識技術や自然言語理解、質問応答、ダイアログ管理のほか、共同作業分野に対するCiscoの深い知見も活用する。
Spark Assistantは当初、(「Hey Spark、会議に参加して」といったフレーズで)会議を開始する機能や、「WebEx」の個人会議室に参加する機能、組織内の人に電話をかける機能、(「Hey Spark、この会議を記録して」といったフレーズで)Sparkデバイスを制御する機能を提供する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。