Broadcomが米国チップメーカーのQualcommに対し、1300億ドルでの買収を提案した。
米国のワイヤレスおよびブロードバンド大手Broadcomは米国時間11月6日、1株あたり70ドルを現金と株式で支払うつもりだとした。
同社は投資家向けの声明で、この提案では1株あたり60ドルを現金で、10ドルをBroadcomの株式でQualcommの株主に支払うことになると述べた。
買収のうわさが株価に影響を与えた日の前日に当たる11月2日のQualcomm普通株の終値は54.84ドルで、提示された買収金額は、それに28%上乗せされた金額となっている。
Qualcommは、NXP Semiconductorsを470億ドルで買収する手続きを進めている最中だが、それもBroadcomによる買収提案の妨げにはなっていない。
「提案する買収金額は、250億ドルの純負債を含めて約1300億ドルと試算され、Qualcommは現在公表している条件でNXPの買収手続きを進めることができる」とBroadcomは述べている。
Broadcomは、Qualcommの買収、特に同社のセルラー事業の獲得は、「Broadcomのポートフォリオを大いに補う」ものとなり、さまざまな種類の半導体および通信ソリューションを適用できる強力でグローバルな企業が構築されると述べている。
さらにBroadcomは、Qualcommの顧客ポートフォリオと国際的な守備範囲から、両社の合併によって、「イノベーションを促進し、さらに高度な半導体ソリューションをその広範囲でグローバルな顧客ベースに提供」できるようになるとしている。
提案されている買収条件によると、Qualcommの従業員はBroadcomに統合されるという。
またBroadcomは、買収には「魅力的な金銭的メリット」があるとし、買収のシナジー効果を含めて、2017会計年度の売上高は約510億ドル、EBITDAは約230億ドルになると試算している。
この買収提案に関し、金銭的な条件が付随することはない。Broadcomによると、Bank of America Merrill Lynch、Citi、Deutsche Bank、J.P. Morgan、Morgan Stanleyが同社に対し、買収を完了するための融資が可能だと通告済みだという。
Silver Lake Partnersも、転換社債による50億ドルの資金支援を約束している。
Broadcomは買収が当局に承認された場合、約12カ月以内に買収手続きが完了すると見込んでいる。
Qualcommはプレスリリースで買収提案があったことを認め、取締役会は「Qualcommの株主にとって最大の利益」のために検討するとした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。