松岡功の一言もの申す

システム事業も視野に?富士通とレノボの協業の行方

松岡功

2017-11-07 11:00

 富士通と中国レノボグループがPCの合弁事業を進めることで合意した。両社の協業は将来的に、PC以外のシステム事業にも広がるのではないか。

両社首脳が「魅力的な製品・サービスを提供」と強調

 両社のPCにおける合弁事業の内容は、富士通の100%子会社である富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の株式51%をレノボに、同5%を日本政策投資銀行(DBJ)に売却するもの。売却時期は2018年度第1四半期(2018年4〜6月)の予定だ。

 これにより、富士通のFCCLへの出資比率は44%となり、PC事業は連結対象から外れる。売却額は280億円で、そのうちレノボが255億円、DBJが25億円となる。従って、FCCLはレノボ主導となるが、社名や経営陣、製品ブランドには変更がなく、工場を含めた従業員の雇用も維持されるという。

 商流については、法人向けは従来通り富士通経由で、サポートも富士通が行う。また、国内の個人向けはFCCLが販売・サポートを行う形となる。

 両社の協業について、富士通の田中達也社長とレノボのヤンチン・ヤン会長兼CEOは発表会見で次のように語った。


富士通の田中達也社長(右)とレノボのヤンチン・ヤン会長兼CEO

 「当社がこれまで30年以上にわたって培ってきた製品開発力と製造能力に加えて、レノボが持つ世界屈指の調達力を活用するのが狙い。これにより、国内およびグローバルのお客様に一層魅力的な製品・サービスを提供できると考えており、まさに最高のコラボレーションである」(田中氏)

 「この協業は当社の日本市場に対する強いコミットメントを表したものである。日本をはじめグローバルでの当社のビジネスをさらに強固なものにすると期待している。両社の強みを合わせたシナジー効果によって、お客様により魅力的な製品・サービスを提供していきたい」(ヤン氏)

 両氏とも口を揃えて「魅力的な製品・サービスを提供したい」と強調していたのが印象的だった。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]