日本株展望

外国人の買いはいつまで続く?裁定買い残から考える

ZDNet Japan Staff 2017年11月07日 11時23分

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今日のポイント

  1. 裁定買い残高の変化に、外国人による投機的な先物売買の動向が表れる。近年は、裁定買い残が3.5~4兆円まで膨らむと、日経平均は反落に転じることが多かった
  2. 足元、裁定買い残は2.9兆円まで膨らんでいる。まだ警戒を要するレベルではないが、残高の上昇ピッチが速いことには注意が必要。今後、裁定買い残が3.5兆円に近づくときは、日経平均反落を警戒した方が良い

※裁定買い残高とは、裁定取引との絡みで売買されている現物株で、まだ決済が終わっていない買い残高のこと

 これら2点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

外国人の日本株買いが続いている

 外国人投資家の買いで日経平均の上昇が続いている。外国人は9月第4週から10月第4週まで、5週連続で日本株を買い越している。株式現物の買い越し額は、合計で、2兆4343億円に達している。

 まだ統計の出ていない先週(10月30日から11月2日)も、外国人の買いで日経平均が上昇したことは、ほぼ間違いない。

日本株の主体別売買動向:9月25日~10月27日


出所:東京証券取引所「二市場一・二部 投資部門別売買状況」より抜粋。
注:プラスは買い越し、▲は売り越しを示す。金融法人は、信託銀行(信託勘定)を除く銀行・生損保・その他金融法人の合計、個人は現物・信用の合計

 主体別の売買動向を見ると、外国人の一手買いで上がっていることが、良くわかる。

  • 個人投資家:外国人が買う間、2兆460億円も売り越し
  • 投資信託:主に個人投資家の解約により、3969億円の売り越し
  • 金融法人:持ち合い解消売りが続き、2388億円の売り越し
  • 事業法人:自社株買いで買い越しになることが多いが、この上昇局面では売り越し
  • 信託銀行:年金や日銀の買いで買い越しになることが多いが、この局面は売り越し

外国人の先物買いも、増えている

 外国人の買いにも、いろいろな種類がある。株式現物を買ってくるのは、海外年金やソブリン・ウエルス・ファンド(国家ファンド)などの長期投資資金だ。買ってすぐに売ることはまれである。

 ただし、日本株を買う外国人は、長期資金ばかりではない。株価指数先物(日経平均先物など)を買ってくる海外ヘッジファンドは、投機的資金である。日本株の上昇が見込める環境では、先物をどんどん買ってくるが、環境が悪化すると、すぐに売りに転じる。

 外国人の買いがいつまで続くか判断するためには、外国人による先物買いがどこまで膨らんでいるか見ることが重要だ。

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