プロ・リクルーターの育成
プロ・リクルーターは役割が多岐にわたり、専門性も非常に高い仕事です。最後に、プロ・リクルーターにはどんなスキルが求められているかについて考えてみたいと思います。プロ・リクルーターの先進国である米国の人事専門媒体「ERE」では、「8 Skills Recruiters Should Have」で、プロ・リクルーターが持つべき能力を8つにまとめています。
- 高い営業スキル
- 関係構築スキル
- 獲得意識
- 高い視座
- サポート姿勢
- 傾聴
- (求職者に対する)問題解決
- 親しみやすさ
【参考】「8 Skills Recruiters Should Have」ERE
これによってプロ・リクルーターには基本的な行動特性として、営業のスキル、関係構築スキルが必要なことがわかります。採用のどのプロセスで強みを発揮していくかによっては、これらの能力に加えて、組織的・戦略的な思考も必要となります。またHRテクノロジが進化するなかでは、データの分析能力や、さまざまなテクノロジを活用する能力も重要です。
エンジニア採用に特化したプロ・リクルーターの育成については、大きく2つの方法が考えられます。
1)エンジニア出身者をプロ・リクルーターとして育成
エンジニア出身の場合、自社の技術の魅力を細部まで理解し、候補者であるエンジニアと同じ目線で話すことができます。ただし、プロ・リクルーターの役割においては、戦略策定から要件定義、面接、入社促進まで社内外でのコミュニケーションが多いため、コミュニケーション能力が必須です。また、プロ・リクルーターは採用人数の目標数にコミットする必要があるため、成果志向であり、フットワーク軽く人に会いに行く行動力も重要です。
2)優秀な営業経験者や人事経験者をプロ・リクルーターとして育成
優秀な営業経験者や人事経験者は、コミュニケーション能力が高く、成果志向である人が多いため、成果は出しやすいものの、細かい技術についてまでは話せないため、面談や面接の際は社内のエンジニアに同席してもらうなど、補完が必要です。
このように、プロ・リクルーターは、非常に高いスキルが必要とされる採用のプロフェッショナルであり、人材獲得競争が激化するなか、今後ますます必要とされていくと考えられるのです。
- 多田 洋祐/株式会社ビズリーチ 取締役
中央大学卒業。エグゼクティブ層に特化した人材紹介会社を立ち上げてトップヘッドハンターとして活躍する。2012年、人事部長として株式会社ビズリーチ入社。現在はキャリア事業のトップとして、ビズリーチ事業とキャリアトレック事業全体を統括し、「ダイレクト・リクルーティング」の本格的な普及に努める。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」、20代のためのレコメンド型転職サイト「careertrek」、戦略人事クラウド「HRMOS」などを展開。
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