JAL、航空券の購入予測をAIで自動化--専門家と同精度の分析を短時間で

藤本和彦 (編集部)

2017-11-07 16:19

 日本航空(JAL)は、自社で運営する航空券予約サイトのアクセスログデータ、会員情報、搭乗履歴などを人工知能(AI)で分析し、航空券の購入傾向を予測する実証実験を2017年9~11月にかけて実施した。データサイエンティストと同精度の分析を短時間で完了させることができたとしている。

 JALは現在、マーケティングをはじめとして、さまざまな領域でAIを活用したたデータ分析の高度化を進めている。高度な分析スキルを有するデータサイエンティストの不足や、保有する膨大なデータをどのように活用するかが課題となっていた。

 今回の実証実験では、NECのAI技術群「NEC the WISE」の中から「予測分析自動化技術」を用いて、航空券の購入を検討している利用者がウェブ上でどのような行動をしているかをテーマとした。その上で、分析に有効なデータ項目となる「特徴量」の推測と「予測モデル」の自動構築が可能であるかを確認した。

 その結果、大量のログデータから、これまで人間が気付かなかったような時間軸を考慮したページ閲覧行動や特定のクレジットカードの利用回数などの特徴的な顧客行動(特徴量)を数時間程度で発見した。予測モデルに関しては、経験豊富なデータサイエンティストが設計したモデルと同程度の精度が得られることを確認したとしている。

 ユーザーの購買行動を迅速に把握できるようになることで、より適切なタイミングでの情報提供が可能になる。また、予測モデルを短時間で構築できることから、現行よりも数多くの施策を立案・実施できるようになるとしている。

データ分析・予測モデル構築のフロー
データ分析・予測モデル構築のフロー(出典:NEC)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]