サイランスは11月7日、セキュリティ侵害を受けた可能性のある端末の調査やセキュリティ対策の改善を支援する新機能「CylanceOPTICS」とコンサルティングサービスを発表した。マルウェア防御の強化に焦点を当てたとし、同月27日から提供する。
CylanceOPTICSは、マルウェア感染などセキュリティ上の侵害を受けた可能性のある端末の解析調査や隔離、潜在的な脅威の検知などのEDR(Endpoint Detection and Response)機能。コンサルティングサービスでは、標的型攻撃への対応訓練や脆弱なシステムの診断、インシデント対応などのほか、CylanceOPTICSのユーザー向けには同機能のチューニングやマルウェア防御策の強化を支援するメニューも用意する。
同社は、機械学習技術を用いて作成したマルウェアのモデルに基づく端末上の不審なファイルの検知や悪意のある動作の阻止といった脅威防御型のセキュリティソフトウェア製品を手掛ける。
最高技術責任者の乙部幸一朗氏によると、新たなオプションは製品の防御をすり抜けるマルウェアが万一出現した場合の事後対応や、製品が防御したマルウェアの端末への侵入経路などを調べるために提供するという。EDRの製品や機能は多数の同業他社からも提供されているが、乙部氏は「事後対応に加えて本来のマルウェア防御の性能を維持・改善する点が異なる」と説明。2017年末に予定するCylanceOPTICSのバージョンアップで、端末のセキュリティイベントから機械学習したデータモデルを使って脅威を防御する機能を追加するとしている。
オプションの新機能は、事前の防御策が万一突破された後の対応と防御能力の改善に着目したものという
コンサルティングサービスの訓練やインシデント対応などの基本的なメニューは、同業他社からも提供されている。コンサルティングサービス本部長のAlex Shim氏は、「他社のサービスはインシデントの対応強化に焦点を当てているが、当社は防御能力の強化を重視しており、製品や機能を活用して脅威の検知・対応の作業を自動化していくアプローチを採る」と説明した。
既存製品のユーザーは、追加のライセンスの購入でCylanceOPTICSの機能を利用する。新規ユーザーは既存製品とCylanceOPTICSをセットにした新製品「CylancePROTECT with OPTICS」を購入する。コンサルティングサービスを含め、提供価格はいずれもオープンとしている。
コンサルティングサービスでは、他でも提供されているメニューに加え、製品やオプション機能を活用していく独自メニューを用意する