Dreamforce

“my”でSalesforceをパーソナライズ--開発者コミュニティTrailblazer支援強化

末岡洋子

2017-11-09 07:00

 Salesforce.comは11月5日から10日まで、米サンフランシスコで年次カンファレンス「Dreamforce 2017」を開催している。6日のプレス発表会では、プレジデント兼最高製品責任者のAlex Dayon氏が最新の製品を発表した。

 今年もハイテク業界最大のプライベートイベントが幕を開けた。サンフランシスコの街がSalesforceのコーポレートカラーであるブルーに染まる1週間、世界の約17万人が参加し、Salesforce.comの最新の技術やソリューションを学ぶ。

プレジデント兼最高製品責任者のAlex Dayon氏
プレジデント兼最高製品責任者のAlex Dayon氏

 6日、メインの基調講演の前に開催されたプレス発表会で、Dayon氏は今年のテーマを「第4次産業革命」と説明した。「第4次産業革命とは顧客が中心の時代。顧客の生活が変わり、製品やサービスとインタラクトする方法も変わる」とDayon氏、これが企業、個人に何を意味するのかを考える必要があるという。

 全ての産業が影響を受ける。企業であれば、これまでとは違う方法が求められており、個人は仕事が変わる、とDayon氏は言う。Salesforceは、テレビ広告をやめたというAdidasなど顧客企業の新しいやり方を支援する他、個人に対してはラーニングプラットフォームのTrailheadでスキルの獲得を支援している。Dayon氏はTrailheadで学習する”Trailblazer(トレイルブレイザー)”を「第4次産業革命に向けて変革する」人たちとした。

 Dayon氏は、「顧客はすべてのCEOにとって重要な資産だ」と述べ、これがCRMを主力とする同社の成長を支えているとした。

 Salesforceは今会計年度(2017年度)の売り上げガイダンスを104億ドル、2018年度は125億ドルの売り上げを見込んでおり、Salesforceの顧客、パートナー、Salesforceの技術が関連する雇用などの”Salesforce経済圏”も成長している。IDCの調査によると、Salesforce経済圏は2022年に8590億ドル規模になり、330万の雇用を生むと予測されている。


Salesforce経済圏は、雇用、売り上げ、コミュニティ、スキルの4つで拡大が予想されている。

 Salesforceを利用する開発者の裾野を広げるTrailblazerは、Salesforceの戦略の中心だ。

 SalesforceはSalesforce Platformと各クラウドで構成される「Customer Success Platform」を持つ。「イノベーションのプラットフォームだ」とDayon氏は形容する。製品レベルでは、コードを書く作業を少なくして顧客体験を作成できるようにするなど、使いやすさの改善を図ってきた。それをさらに進めるものとして、Dreamforceでは「myEinstein」「myTrailhead」「mySalesforce」「myLighting」など、”my”をつけたサービスを発表した。共通してカスタマイズを容易にするのが狙いだ。

 Customer Success Platformの戦略は2ステップだ。「ステップ1として、マーケティング、コマースなど各カテゴリのリーダーになること」とする。同社最高経営責任者(CEO)のMarc Benioff氏はマーケティング、CRM、セールス、サービスの各クラウドサービス分野でトップだ、と主張している。ステップ2は、各クラウドを統合して包括的な視点を得られるようにすることだ。これにより「最も包括的なBtoB/BtoCのCRMを提供できる」とDayon氏。

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