myEinsteinは、カスタムアプリケーションでもEinsteinを利用したいと言う顧客の声に答えるものとなる。「Salesforceの80%のデータがカスタムオブジェクトに保存されている」とBall氏。myEinsteinにより開発者(”Trailblazer”)はAIが支援するアプリをコードを書くことなく作成できる、とした。「データサイエンティストは不要だ」(Ball氏)。
myEinsteinでは、予測機能を構築できる「Einstein Prediction Builder」、顧客の質問に答えるボット「Einstein Bots」などの新機能がある。
CRMアプリケーション担当エグゼクティブバイスプレジデントのMike Rosenbaum氏は、ユーザー体験の「Lightning」とSalesforceをモバイルで利用できる「Salesforce」の新機能「myLightning」「mySalesforce」を紹介した。
Lightningは新しいユーザー体験を提供するもので、これにより41%スタッフの生産性が改善したなどの例も報告されていると言う。150万人が利用しているほか、7万人の開発者がおり、30万件のLightningコンポーネントが開発されているとのこと。AppExchangeにはLightning対応アプリがたくさんある、とRosenbaum氏は述べる。
myLightningは自社アプリのブランディングを容易にするもので、イメージ、色などにより自社のブランディングにあった体験を構築できる。ページ単位でカスタマイズできるダイナミック機能も導入した。顧客からの要望が高かった機能だ。Lightningコンポーネントを利用して特定のワークフローを構築できるワークフローエンジンも用意する。
Salesforce(旧「Salesforce1」)は150万人が利用する人気のアプリだが、mySalesforceにより、企業はカスタムブランドアプリを構築し、GoogleやAppleのアプリストアにパブリッシュできる。Salesforceプラットフォーム上にあるため、Salesforceが行う年3回のアップデートにより最新技術が利用できると言う。
これらに加え、2016年に買収したQuipも、「Quip Collaboration Platform」を発表した。QuipのCEO、Bret Taylor氏は「電子メール(の添付)文化を変えるべく開始した。1万人が利用するチームコラボレーション」と説明、Quip Collaboration Platformでは、Live AppsとしてQuipにアプリを組み込むことが可能になる。今回のプラットフォーム化により、コラボレーションをさらに進めることができるとした。
Dreamforceではこの他、myIoTも発表された。これらのmyシリーズにより、開発者はパーソナライズ、カスタマイズを容易にできる。Dayon氏は最後に、第4次産業革命で求められるスキルが変化する時代にあり、TrailheadとTrailblazerコミュニティ活動によりSalesforceは自分の変革を実現するのを支援する、と強調した。「社会が変わると取り残される人がいる。Trailheadは第4次産業革命の一部になるための学びを支える」(Dayon氏)。

左からAlex Dayon氏、Sarah Franklin氏、John Ball氏、Mike Rosenbaum氏、Bret Taylor氏