Teradata PARTNERS

テラデータ分析部門トップが語る「AI分析をサービス化する理由」 - (page 2)

鈴木恭子

2017-11-10 08:00

データ分析の運用プロセスを加速化

――Acceleratorの位置付けについて教えてほしい。これはブランドの1つなのか。

 Acceleratorは、われわれのコンサルティングサービスブランドである「Think Big Velocity」を構成するポートフォリオの1つであり、単体のブランドではない。Acceleratorには(分析を支援するための)ソフトウェアであり、(Think Big Analyticsが所有する)ベストプラクティスやプロセス、フレームワークなどが包含されている。

 また、Acceleratorはケイパビリティ(機能を活用する能力)と捉えられるだろう。たとえば、Acceleratorにはユーザーの行動をチェックインするリポジトリがある。だから、ユーザーの行動をトラッキングし、「誰がどこを改変したのか」「どのコメントを出したのか」といったことも把握できる。

 つまりAcceleratorは、データ分析の運用プロセスを加速化する機能やサービス全般を指す。「以前からある技術を最新技術で支援する」とも考えられるだろう。一般的にモデリング技術で、既存の技術と新技術をシームレスに統合するのは難しい。

 こうした(プロセス加速化の)ソフトウェアをゼロからスクラッチ開発で構築するには時間を要する。それよりも、ひな形があれば迅速に展開できる。たとえば、新たなソフトウェア開発に3カ月を要していたプロセスでも、Acceleratorを活用すれば、キックスターターとして始められる。

Acceleratorは「資産効率の最大化」「顧客体験の向上」「製品のイノベーション」「運用の最適化」などを支援する機能を提供する
Acceleratorは「資産効率の最大化」「顧客体験の向上」「製品のイノベーション」「運用の最適化」などを支援する機能を提供する

――今後は各業界に特化したAcceleratorをリリースするのか。

 どの業界であっても分析に対するニーズは必ずある。たとえば「Financial Crimes Accelerator」で提供している機能は、他業界にも水平展開できる。今後は業界特化のAcceleratorを提供していく予定だ。

 さらに、カスタマージャーニーの分析も水平展開できるAcceleratorになると考えている。たとえば、エンドユーザーの注文(行動)をトリガーに、次のアクションにどのようにつなげていくかといったことや、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を向上させる施策、さらに、ライフイベントの管理などの分析管理もAccelerator(の一部として提供できるように)なるだろう。

――Think Big Analyticsのビジネスは好調だが、現時点で不足している部分はあるのか。

 近年われわれは急成長を続けており、中でも米国以外の市場で急伸している。特に日本はAIの利用が進んでいると考えている。また、(日本市場は)深層学習の技術が着目されており、今後の成長が期待されている。

 強いて不足している部分を挙げるならば、優秀なデータエンジニアの数だろう。これはTeradataだけではなく、分析業界全体の課題だ。だから、われわれは優秀なデータエンジニアが「Teradataで働きたい」と思うような環境を構築していきたい。将来的にコンサルティング業務だけでなく、自らがソフトウェアを開発できる人材を揃えていきたいと考えている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]