アクセンチュアは、世界の大手銀行に対して実施した調査結果を発表した。これによると、大手銀行の経営幹部100人のうち99人が、2020年までにオープンバンキングへの大規模な投資を開始予定であると回答している。
71%の回答者は、オープンバンキングによって顧客一人ひとりのニーズに合った金融商品・サービスや提案を受けやすくなると考えており、既に一部の銀行では、直接的な関係をもたない顧客に対し、第三者企業の金融商品を販売している。その割合は北米37%、欧州29%、アジア太平洋地域23%だった。
調査は北米、英国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツの収益50億ドル超の銀行と、アジア太平洋地域およびその他の欧州諸国における収益30億ドル超の銀行を対象にした。オープンバンキングに詳しい経営幹部100人に、オープンバンキングの導入に向けた意欲と計画に関して調べた。調査期間は2017年8月8日から28日。
オープンバンキングとは、顧客の同意のもと、銀行が保有する顧客データにノンバンクの第三者企業がアクセスできる仕組み。顧客は、第三者企業がそのデータを活用して提供することにより、便利なサービスを利用できるようになる。
オープンバンキングを脅威よりも機会と捉えている回答者の割合は、欧州が71%、アジア太平洋地域では63%、北米では60%だった。
回答した経営幹部の52%は、デジタル変革への投資を進める他行との競争おいて、オープンバンキングを導入せざるを得ないと回答している。北米の銀行の63%は、FinTech企業やテクノロジ大手など新規参入企業と対抗する上で、オープンバンキングの導入は必要不可欠だと考えている。なお、欧州とアジア太平洋地域における、同回答の比率は、それぞれ51%と40%。
さらに66%の経営幹部は、オープンバンキングによって新たな収益源の創出が促進されると考えており、そのうち90%は最大10%の収益アップを見込んでいる。
一方、回答者の50%がオープンバンキングの導入により、銀行業界でさまざまなリスクが高まる懸念を抱いていることも分かった。欧州では、リスクが高まると懸念する回答が63%に上っている。