仮想化環境のセキュリティを監視--AWSとラック、マカフィーが連携

國谷武史 (編集部)

2017-11-10 07:00

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)とラック、マカフィーは11月9日、AWS環境のセキュリティ監視サービスで協業すると発表した。ユーザーがAWS上に導入するマカフィーの不正侵入防止システム(IPS)を用いたセキュリティ監視をラックが行うもので、2018年2月下旬からサービスとして提供する。

 同サービスでは、AWS上にマカフィーのIPSソフトウェア製品「MSS for McAfee Network Security Platform」を構築し、ラックのセキュリティ監視センター「JSOC」がリモートから24時間体制で、ユーザーのシステム環境に侵入を試みる脅威やシステム内で拡散する脅威の監視と検知、遮断などを行う。

セキュリティ監視サービスのイメージ''
セキュリティ監視サービスのイメージ

 協業についてAWSパートナーアライアンス本部長の今野芳弘氏は、国内外でAWSを利用したITシステムの構築や運用に乗り出す企業が増加していることから、セキュリティ機能の強化や選択肢の拡大を望む声が強まっていると説明する。同社では、ユーザーがセキュリティ上の責任を負うべき領域と同社が責任を負うべき領域の境界を明示しており、今回のサービスは、ユーザーがセキュリティ上の責任を負うべき領域における対策の選択肢として提供するものになる。

対象はAWS上でユーザーが利用する領域になる''
対象はAWS上でユーザーが利用する領域になる

 サービスを提供するラック 代表取締役社長の西本逸郎氏によれば、JSOCによるセキュリティ監視サービスでは2004年からマカフィーのIPSを取り扱い、現在は同社が取り扱うIPSの約7割がマカフィー製という。「JSOCではメーカーのノウハウに加え、独自の脅威検知シグネチャも開発している。マカフィーのIPSは我々の知見を組み込みやすく、実績もあり、クラウドに移行する企業のセキュリティ対策も支援しやすい」と述べた。

 マカフィー 代表取締役社長の山野修氏は、「AWSに対応したセキュリティソリューションを2014年から提供しており、オンプレミス向けに実績のあるIPSをクラウドに提供する上でラックのサポートは心強い」と歓迎する。

 同氏によれば、IPSは外部からの侵入攻撃や内部に侵入したマルウェアによる外部への不正な通信を検知、遮断するだけではなく、内部に侵入したマルウェアが他の仮想サーバなどに拡散する行為などの検知や遮断にも対応するという。

連携を発表したAWSの今野氏、マカフィーの山野氏、ラックの西本氏(左から)''
連携を発表したAWSの今野氏、マカフィーの山野氏、ラックの西本氏(左から)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]