日発販売は、経営者から担当者まで幅広く使える全社横断型のビジネスインテリジェンス(BI)基盤を構築した。データの抽出や集計にかかる時間を大きく短縮し、さまざまな切り口による柔軟なデータ分析を可能にした。
同社は、2000年初頭にデータウェアハウスを導入し、売上実績や各商品の在庫量などのデータをほぼリアルタイムに把握できる体制を整えていた。しかし、取り扱うデータ量の増大が原因でレスポンス低下が発生するなど、システムの運用に限界が見え始めていた。
その対策として、2014年にウイングアーク1stのBIツール「Dr.Sum」、続いて「MotionBoard」と立て続けに導入。既存の帳票作成・運用ツール「SVF」と連携させた。これにより、経営者から担当者まで全社で利用できるBI基盤を構築した。
データ抽出や集計の時間は、従来の十数分から4秒に短縮された。売上、仕入、受発注、在庫など多岐にわたる項目を柔軟に集計できるようになり、データの並び替えが速やかになった。並び替えの都度必要だったデータの再抽出も不要となり、商品別、部門/支店別、部署別、担当者別、得意先別、年/月/日、予算比といった自在な軸で迅速に分析できるようになった。
MotionBoardでダッシュボードを構築し、経営層に向けてさまざまなKPIの推移を視覚的かつリアルタイムに提供できるようになった。現在ではオフィス内に大型ディスプレイを設置し、毎月の売上実績の推移、重点的な拡販対象に設定している特定商品の売上速報などを1時間おきに更新して表示している。
SVFにDr.Sumからデータを取り込むことで、日報の作成と配布のプロセスを自動化した。これまでは、各営業所の担当者が毎日手動で基幹システムから売上明細表、仕入明細表などの帳票を出力していた。現在では毎朝、必要な日報が各営業所のプリンタに自動で出力され、さらにPDF形式の日報に明細を出力してファイルサーバ内の部門別フォルダに自動生成されている。