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パーソナライズからのオムニチャネルの基盤はCMS--米サイトコアCMOに聞く

怒賀新也 (編集部)

2017-11-17 07:30

 コンテンツマネジメントシステム(CMS)大手で知られる米Sitecoreは11月9日、新プラットフォーム「Sitecore Experience Cloud」を発表した。

 CMS機能に加え、電子メール、ウェブサイト、eコマース、顧客関係管理システム(CRM)などさまざまなソースから情報を集められるようにした「xConnect」や、人工機能(AI)「Cortext」を活用して新たなビジネス機会を創出するなど、企業が抱える情報を最大限に活用するアイデアをソフトウェアとして製品化した。

 Chief Marketing Officer(CMO)のScott Anderson氏は、Sitecore製品の導入企業として、芝刈り機メーカーのToroを挙げる。Toroは自社製品を購入した顧客にアプリを提供する。オイルや芝刈り機用の刃の交換時期が来ると、アプリが通知を出す。ボタンを押すと、モバイルコマースのサイトに飛び、必要な部品を購入できる。結果として、顧客1件当たりの売上高がアップすることで、収益全体を押し上げる効果があったという。

 ロレアルは、600ものウェブサイトをSitecoreで運用している。同社は顧客の変化を敏感に感じ取っており、「デジタルインフラの整備が不可欠であることを認識している」(Anderson氏)とのこと。


CMOのScott Anderson氏(左)とテクニカルエバンジェリストのJason St-Cyr氏

 従来型の製品では、顧客のデータベース化や各顧客向けにユーザー体験をパーソナライズすることはできなかった。購入機能とのスムーズな連携や機械学習の活用も、ここにきて実装してきた機能だ。

 Anderson氏は「機械学習は長年取り組んできた成果」と話す。例えば、機械学習を活用することで、従来気付かなかった収益機会を特定できるという。以前で言えば、データマイニングの事例として知られる「おむつとビールの法則」――Walmartにおいて、オムツとビールが一緒に購買される傾向があるとの発見――に発想は似ているとのこと。ソフトウェアが集めるさまざまなデータを集計し、機械学習によって新たな収益法則が見つかるとすれば、企業のマーケティング担当者の期待も高まると考えられる。

 先日、玩具大手のToys“R”Usが破産法を申請したことでも話題になったように、米国に限らずAmazonによる小売業界の再編が起こり、対応が待ったなしになってきている。Amazonは、自ら路面店を展開する計画も発表しており、オンラインとオフラインの融合というオムニチャネル戦略の強化に乗りだそうとしている。

 Anderson氏は、Amazonに習うように「今後の小売業者はデジタル化による革新を実行していくべきだ」と話す。米デパート大手のNordStromも、店舗とオンラインがシームレスにつながるオムニチャネルの取り組みに注力していると加えた。

 日本市場については「良い市場ととらえており強化する。消費者がデジタル的な面で高度化しており、高いサービスレベルを求めている点も、Sitecoreにとってパーフェクトだ」と説明する。マーケティング担当者もIT担当者も具体的な答えを求めているため、Sitecoreが打ち出す解決策が合致すると自信を見せた。

パーソナライズのためのデータ管理に苦戦:調査結果

 Sitecoreは日本を含む世界14カ国での調査を実施した。これによると、企業は「データ志向でなくてはいけない」というプレッシャーに直面しており、79%の企業がパーソナライズを優先しているものの、顧客体験の戦略とパーソナライズを演出する上で必要となる顧客に関するデータの管理に苦戦していることが分かったという。結果として、消費者は「多くの企業が低品質のパーソナライズしか提供できていない」と感じていることが分かった。

 96%の消費者が、低品質のパーソナライズを受けたことがあると回答。「企業は古い情報を使用している」(59%)、「消費者側の詳細を詳しく把握していない(57%)、「1回のインタラクションに基づいて消費者の欲しいものを予測している」(54%)との声も目立った。

 Anderson氏は「消費者は、企業に対して快く情報開示に同意しているものの、企業側は、その情報を、消費者の購入プロセスにおいて有効に活用できていない。現代の消費者の満足度は、マーケティング担当者が利用するツールやリソースに対する不満と連動している。企業は、自社にとっての顧客に関するデータを収集、連動、分析、そして対応するために、早急な措置を講じるべき」とコメントし、Sitecore製品を利用することにより、それが解決できるとの見解を示している。

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