CA Technologiesは11月10日、「時代遅れのソフトウェア戦略からの解放」と題する調査の結果を発表した。日本の経営層は海外の経営層に比べて「デジタルトランスフォーメーションにおいてソフトウェアがカギである」という認識や、「最新のソフウトウェア開発手法への精通、ビジネスの成功において重要である」という認識において、後れを取っていることが分かった。
デジタルトランスフォーメーションにおけるソフトウェアの重要性に対する認識の遅れ
同調査は、企業のリーダーシップや収益が、最先端のソフトウェアツールや手法の導入リスクを取る積極的な姿勢と、どう関係するのかを明らかにする目的で実施した。7月に日本を含む世界15カ国でIT部門と業務部門の管理職以上1279人(うち日本は78人)を対象に、オンライン調査と業界幹部への電話インタビューで検証している。
それによると、世界では88%が「デジタル・トランスフォーメーションの取り組みにおいてソフトウェアが不可欠」と回答したのに対し、日本の同回答は79%にとどまった。また「新市場に参入するために新しい製品やサービスを創出する上で、ソフトウェアが重要」という認識も、世界の88%に対して、日本は86%と若干下回った。「ソフトウェアが今日の市場で生き残るために欠かせない要素」であるという認識は、世界では90%、日本では87%と、ほぼ同様の結果になっている。
ソフトウェアの優先順位と機能とのギャップ--IT部門がソフトウェア開発・提供を阻害、日本では顕著
一方、「自社のITチームが、事業目標に沿ったソフトウェア開発の優先順位付けを改善する上で十分に有効」と見ているのは、世界、日本ともにわずか23%にとどまる。特に日本の自社IT部門の評価は、世界と比較して低い結果だった。
CAは「モダン・ソフトウェア・ファクトリ」の構築を提唱しており、アジリティ、自動化、インサイト、セキュリティを「モダン・ソフトウェア・ファクトリ」の4原則としている。今回はこの4原則の習得度を調査し、上位25%の企業を「モダン・ソフトウェア・ファクトリに精通した企業(マスター企業)」と定義した。
マスター企業の条件
マスター企業の比率
あらゆる重要な側面でデジタル値を取り入れて活用するマスター企業は、それ以外の企業を利益成長率で70%、売上成長率で50%上回っているという。マスター企業の比率は全世界で25%に達しているが、国別で日本が13%となり、最下位のシンガポールに次いで下から2番目の結果だった。またこの数値は、アジア太平洋地域の平均24%よりも下回っている。