海外コメンタリー

セキュリティだけではない、クラウドへの移行を阻む3つの懸念 - (page 3)

Christine Parizo (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-11-15 06:30

クラウドに対応していないアプリケーションにまつわる懸念

 最後に、アーキテクチャやサポート要求といった点から、一部のアプリケーションはクラウド移行に適さない場合もあるだろうとSousa氏は述べている。同氏は「業務に欠かせないアプリケーションがあるものの、クラウド版が利用できないというのであれば、クラウドへの移行によって予測できないリスクと出費がもたらされる可能性がある」と述べている。

 既にオンプレミス環境内で構築したカスタムアプリケーションを有しているという組織もある。こういったものをクラウドに移行するにはさらなる時間と努力が必要となるはずだ。Sousa氏は「カスタムアプリケーションが存在すると、クラウド上でそれらアプリケーションを管理、サポートしていくうえで新たに必要となるもののために、開発チームにさらなる負担が強いられる」と述べている。

 上述したケースでは、クラウドへの移行は企業にとってメリットをもたらす選択肢とはなり得ない可能性がある。企業がデータのアーカイブ処理に対する統制を失いたくない場合や、レイテンシが大きな問題となる場合、オンプレミス環境の維持が正しいアプローチになることもある。また、一部のアプリケーションはクラウドへの移行準備が整っていない場合もあり、それらのアーキテクチャを見直すことは、投資回収率(ROI)という観点から見てもメリットはほとんどないだろう。クラウドへの移行を検討している企業にとって、目を向けるべき点はコストとセキュリティだけではないのだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]