ARMサーバを求める声は何年も前から上がっていた。MicrosoftもARMベースのプロセッサ上で稼働する「Windows Server」を実現しようとしている。そしてRed Hatはついに、その声に応える製品を市場に投入した。同社は米国時間11月14日、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)7.4 for ARM」が利用可能になったと発表した。
RHEL 7.4 for ARMには、「RHEL 7.4」のユーザー空間と、Linuxカーネル4.11が含まれている。また、アップデートされた標準のRHEL 7 Server RPMパッケージも含まれている。
法人向けのこの新しいLinuxは、64ビットのサーバ向けに最適化されたシステムオンチップ(SoC)を前提としている。こうしたSoCはクラウドや通信、エッジ、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の中核アプリケーションを念頭に置いて設計されたものとなっている。
Red HatのチーフARMアーキテクトであるJon Masters氏は、自らのチームの成果について、「メインストリームの企業向けARMサーバを実現するうえで、スタック全体の上流から下流に至るまでの作業、すなわち初期アーキテクチャの段階や、プラットフォームの標準化段階から、シリコン設計に入る前の段階や、プラットフォームの有効性の確認や検証の段階、OSとしての実現段階、エコシステムの醸成といったものに至るまでのさまざまな作業が必要となった。われわれは、シリコン設計によってサーバ標準の設計を支援するとともに、Linuxが真のサーバ向けOSとなるための進路を定められるよう、『Linaro Enterprise Group』を共同で立ち上げた」と述べている。
RHEL for ARMが実現した今、ARMはデータセンターで採用されていくようになるのだろうか?ARMサーバの稼働コストが低いのはもちろんだが、パフォーマンス面でx86サーバと比較した場合、どうなるのだろうか?
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の大手企業Cloudflareは、プラットフォームとしてのARMサーバとIntelサーバの比較を実施している。同社のエンジニアであるVlad Krasnov氏は、Qualcommの「Centriq」SoC(2.5GHz、46コア)を搭載したエンジニアリングサンプルサーバと、Broadwellマイクロアーキテクチャの「Intel Xeon E5-2630 v4」(デュアルソケット、2.2GHz/ターボブースト時3.1GHz、各10コア)システム、Skylakeマイクロアーキテクチャの「Intel Xeon Silver 4116」(デュアルソケット、2.1GHz/ターボブースト時3.0GHz、各12コア)システムを比較したベンチマークを発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。