富士通は11月16日、AI(人工知能)基盤「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を7つの活用領域に分類し、計17種の課題解決メニューとして体系化した。導入効果や提供価格の目安を提示し、業務への活用イメージを具体化することで短期間での導入を支援する。
AI活用に関する約600件の商談を通じて、特に要望の多かった利用シーンを整理したもの。第一弾として「ナレッジ活用」「コールセンター・問い合わせ窓口」「職場・暮らし」「社会インフラ」「保守・保全」「ものづくり」「デジタルマーケティング」の7つの領域に分類した、計17種の活用シーンを提示する。

例えば、研究開発の分野で関連文書もまとめて検索できるシステムを構築する場合、導入検証までを含めた初期費用が1000万円(目安)。ディープラーニング(深層学習)を用いた製造品の異常検知システムの場合は、導入前検証が200万円から、本番環境導入は個別見積もりとなっている。
富士通は先日、Zinraiを活用したコールセンター向けチャットボット基盤の提供も始めている。チャットボットを活用したコンタクトセンター業務のコンサルティングから導入、構築、運用までを一貫して支援する。
IDC Japanの調査では、AIシステムの導入課題について「分からない」という回答が最多だった。富士通においても、「AIで何が実現できるのか?」「自社の課題がAIで解決できるのか?」「AIを適用するのにどれくらいのコスト、時間が掛かるのか?」といった顧客の声が多く寄せられたとし、AIの活用シーンがまだ具現化されていない状態にあることが分かったとしている。