Einstein Bots:Salesforceは、2016年にMetaMindを買収したことで、自然言語理解と自然言語翻訳を扱う能力が大きく強化された。myEinsteinの2つ目の新機能である「Einstein Bots」は、これらの自然言語処理に関する機能を、Salesforceが持つデータやワークフローエンジンと組み合わせて生み出された、自動カスタマーサービスエージェントだ。その背景には、パスワードのリセットなどの単純で頻度の高いサービス事例はボットで引き受ける一方、ロングテールの複雑で頻度の低い、問い合わせは人間に任せるという考え方がある。
Prediction Builderと同じく、Einstein Botsの開発もノーコードで行える。まずポイントしてクリックで選択しながらワークフローを組み立て、カスタマーサービスで交わされるやりとりのサンプルテキストが入ったスプレッドシートをアップロードして、言語モデルをトレーニングすることになる。一般提供は2018年夏になる見込みだ。価格は一般提供が開始される時期に発表される予定だが、おそらく特定の期間に処理されたケースの数に基づく価格体系になると筆者は予想している。最初はテキストベースのやりとりからスタートするが、将来的には音声によるやりとりも可能になる可能性が高い。
Einstein Data Insights:この新しいEinstein Analytics(元Wave Analytics)の機能は、 「Sales Cloud」や「Service Cloud」(将来的にはほかのクラウドも追加される)で作成された標準的なSalesforceのレポートに、より深い知見を付加するものだ。「Einstein Discovery」と同じエンジンを使用したこの機能は、自動的に重要なトレンドや外れ値、時系列での変化、あるいは標準レポートの中のデータ品質の問題までをも顕在化させ、可視化されたデータとテキストによる説明の組み合わせを表示する。ユーザーが標準レポートに埋め込まれているボタンを押すと、可視化されたデータとテキストでの説明が画面の右側に現れる。この機能も、2018年2月にベータ版がリリースされ、一般提供開始は6月からの予定だ。価格体系はまだ決定されていない。
Einsteinのデータ探索機能:Salesforceによれば、Einstein Analyticsに追加されるこの機能は、英語の文章で質問を入力することで、「データと会話」できるようにするものだという。その裏側ではキーワードベースの解釈が行われており、ユーザーがダッシュボードや可視化されたデータの内容を掘り下げ、何が起こったかだけでなく、なぜ起こったかについても理解できるようにする。例えば、「amount by product」(製品ごとの量)と入力することで、数字の中身を掘り下げていくことができる。あるいは、「lost deals by product」(製品ごとの失った契約数)と入力すれば、パフォーマンスを分析できるかもしれない。この機能は2018年2月に一般提供が開始される予定になっている。