ソフトバンク・テクノロジーとサイバートラストは11月16日、竹中工務店と共同でビルオートメーションシステムへの侵入を想定した脆弱性診断の実証実験を行うと発表した。デバイスや制御コントローラ、ネットワークの脆弱性や潜在要因を洗い出すのが目的で、12月まで実施する。
各社によれば、ビルでは省エネ化などの目的から空調設備や電気設備、各種センサなどの機器をネットワークに接続して制御を行う形でIoT化が進む。IoTを狙うサイバー攻撃リスクも懸念される中で、総務省が10月に「IoTセキュリティの総合対策」を公表しており、3社は脆弱性診断の実証実験を通じてセキュリティ課題を抽出し、対策方法を検討するという。
脆弱性診断のイメージ(出典:サイバートラスト)
具体的には、各種サブシステムや制御コントローラに対するセンシング情報への不正アクセスやパラメータの改ざん、システムのログインフォームやログインエラーメッセージ、ログイン関連情報の送受信、権限昇格や権限のない情報へのアクセス、制御系機器の不正操作、外部ポートといった点において、不正な侵入や行動につながりかねない脆弱性を調査する。
ソフトバンク・テクノロジーとサイバートラストは、ビルオートメーション全般における脆弱性の仮説立案や対策ソリューション、評価などを担当し、竹中工務店はセキュリティ注力点の調査や検討、実環境での診断実施方法、診断後の対策検討や新規建築物などに向けた対策の実装などを検討していく。