Microsoftが持つ技術を応用した1例だが、飲食品などを扱うユニリーバや高級自動車やエンジンを開発販売するロールスロイス、米プロバスケットボールチームのポートランド・トレイルブレイザーズなど枚挙に暇がない。中でもユニークなのが、ユキヒョウの保護活動を行う非営利団体「Snow Leopard Trust」の活動だ。
ユキヒョウの個体数は4080~8700頭と推定されていることから、国際自然保護連合が1972年に絶滅危惧種に指定しているが、ユキヒョウは食肉目ネコ科ヒョウ属に分類されるため、生息地域や挙動の調査は難しいという。そこで、動物が近づくと自動撮影するカメラを設置し、そこからユキヒョウの写真を抽出する手法をAzure Machine Learning WorkbenchとMMLSparkを使って特定の調査結果だけを抽出するシステムを構築。人間が取り組むと2万時間超となる作業を大幅に短縮した。
ユキヒョウの生息地をBing Mapでマッピング化し、分析結果をPower BIで出力した様子
このように身近な場面や人間では大幅な工数を必要とする作業をAIが代替することで、効率性の向上や困難な問題の解決につながる。MicrosoftのAI戦略は着々と進み、データサイエンスとでなくとも、誰もが簡単にAIの恩恵を受けられるようになった。自社のビジネスソリューションを改善させたい意思決定者はMicrosoft AIプラットフォームを意識すべきだろう。