Microsoftは.NET Frameworkというアプリケーション開発・実行環境を以前から取り組んできたが、昨今はiOSやAndroidを対象にしたXamarinと、Windows/macOS/Linuxを対象にした.NET Coreを合わせた「.NET Application Models」を提唱している。各モデルは微妙にAPIが異なる実装のため、"方言がある"ものの、この点を改善して標準化を目指す「.NET Standard」を2016年中頃から推進してきた。
この一端として、今回新たに「.NET Embedding in iOS+Adroid」を発表。C#やF#といった既存の.NETコードをAndroidならJavaへJIT(Just-In-Time)コンパイルし、iOSならSwiftやObjective-Cネイティブコードに静的コンパイルする仕組みとなる。
また、コードを書き上げた後の実機を用いた動作検証には大きな負担がかかるため、以前はVisual Studio Mobile Centerとしてプレビュー版を公開していた「Visual Studio App Center」を新たに用意した。Objective-C/Swift/Java/Xamarin/React Nativeをクラウド上でビルド可能にするソリューションとして、いくつかの制限はあるが無償で利用できる。
ただし、クラウド上でアプリケーションの動作テストを永続的に行うには99ドル/月の追加必要が必要だ。日本マイクロソフトは「われわれはアプリケーション開発環境を快適にするため、Visual Studioファミリを常に進化させている」(井上氏)とアピールしている。
「Visual Studio App Center」によるアプリケーションテストは有償で、各デバイスの並行処理に30時間となる(無制限のアップグレードオプションあり)