Amazon Web Services(AWS)は米国時間11月29日、ネバダ州ラスベガスで開催中の年次イベント「re:Invent」において、AWS上で「Kubernetes」を稼働させるフルマネージド型のサービス「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes」(Amazon EKS)のプレビュー版の提供を開始したと発表した。
AWSの最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は、Amazon EKSではオープンソースのKubernetesソフトウェアの最新版が稼働するため、Kubernetesコミュニティーによる既存のプラグインやツールの利用が可能になっていると説明した。
Jassy氏によると、ここ12カ月でKubernetesに対する顧客の興味が高まってきている。最近の調査によると、Kubernetesのワークロードのうちの63%がAWSのクラウド上で実行されているという。Jassy氏は、こうした道に進みたいと考えている顧客を待ち受ける作業が存在しており、それがAmazon EKSの提供に踏み切った主な理由の1つだとした。
同氏によると、ユーザーは既にAWS上でKubernetesを稼働させているが、Amazon EKSが提供されることで直接的なサポートを得られるようになるという。
Amazon EKS上で動作するアプリケーションは、オンプレミスのデータセンター内やパブリッククラウド上における、任意の標準Kubernetes環境上で動作するアプリケーションと完全な互換性を有している。これによりKubernetesアプリケーションは、コードを一切変更せずともAmazon EKSに移行できる。
Jassy氏は、Amazon EKSと数多くの重要なAWS機能が統合されていると述べるとともに、機能のさらなる統合に向けて同社が「本気で取り組んでいる」と述べている。
同氏はまた、「AWS Fargate」というテクノロジも発表した。同テクノロジによりユーザーは、サーバやクラスタを管理せずともコンテナの実行が可能になるという。
AWS Fargateの核心をひと言で述べると、仮想マシンではなくコンテナで実現された「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)というものになる。
同社の説明によると「これは、コンテナの基盤となるインスタンス群の管理を必要とすることなく、コンテナを基本的なコンピュート単位として利用できるようにするテクノロジだ。必要なのは、コンテナイメージを構築し、CPUとメモリに対する要求を指定し、ネットワークとIAMポリシーを定義するという作業のみであり、後は起動するだけだ」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。