「セキュアデジタルワークスペース」で“働き方改革”支援--シトリックスの事業戦略

藤本和彦 (編集部) 2017年12月01日 07時00分

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 シトリックス・システムズ・ジャパンは11月30日、都内で開催したカンファレンス「Citrix Synergy Direct Tokyo 2017」のメディア向け説明会で、企業の“働き方改革”の取り組みを支援するグローバルでの同社の事業戦略を紹介した。

 シトリックスでは現在、「セキュアデジタルワークスペース」と呼ぶコンセプトの実現に向けて取り組みを進めている。企業が配備するデバイスやアプリケーションをはじめ、SaaSなどのクラウドサービス、オンラインストレージなどを統合管理し、エンドユーザーがいつでもどこからでも利用できるシームレスな環境を提供するものとなる。

セキュアデジタルワークスペースの概要図
セキュアデジタルワークスペースの概要図

 その背景には企業のIT環境の複雑化がある。「10年ほど前のIT環境はもっとシンプルだった。アプリケーションのほとんどはWindowsで動いており、数もかなり限られていた。端末もIT部門がしっかりと管理できる程度の台数だった。社内で使われていたためセキュリティの確保も容易だった」(米Citrix Systems プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント Calvin Hsu氏)

 企業のIT環境はそこから大きく変化した。使われるアプリケーションの数は増え、タブレットやスマートフォンといった新たなデバイス形態も登場した。アプリケーションはオンプレミスやクラウドなどさまざまなところに点在するようになった。業務で使われるデバイスやアプリの組み合わせは広がり、「IT部門がコントロールできないほど複雑になってしまった」(同)

 IT環境の複雑化は、エンドユーザーの使い勝手を損なう要因にもなっている。例えば、業務で利用するアプリケーションやクラウドサービスが増えれば、それぞれのIDとパスワードを個別に管理しなければならず、その管理や運用が煩雑になりがちである。

米Citrix Systems Calvin Hsu氏
米Citrix Systems プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント Calvin Hsu氏

 こうした課題に対しては、ID管理や端末管理、アプリ配信網、セキュリティ対策などのポイントソリューションを導入するだけでは、さらなる複雑化を引き起こすだけだとHsu氏は指摘する。

 シトリックスが提唱するセキュアデジタルワークスペースで中核となるのが「Citrix Workspace」である。アプリケーションとデスクトップ配信の「XenApp」と「XenDesktop」、エンタープライズモビリティ管理の「XenMobile」、ネットワーク管理の「NetScaler」、ファイル共有の「ShareFile」といった製品を組み合わせることで、統合的なワークスペース環境を構築する。

 これに加えて、2017年5月にはセキュリティ分析サービス「Citrix Analytics」を発表している。XenApp、XenMobile、ShareFile、NetScalerから収集したデータを使用して、エンドユーザーの行動と状況を分析するもので、機械学習によって異常な挙動や脅威を検出する仕組みとなっている。これにより、クラウドやモバイルの普及でますます曖昧になるデジタル境界線でのセキュリティを確保するとしている。

Citrix Analyticsのシステムイメージ
Citrix Analyticsのシステムイメージ

 国内事業の展開としては、直近の動きとして2つのパートナー戦略について触れた。1つは富士通とのクラウド領域での協業拡大。もう1つはレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、日商エレクトロニクスとのデスクトップ仮想化(VDI)ソリューション販売に向けた協業開始だ。

 富士通との協業では、XenApp、Citrix XenDesktop、ShareFileを活用したクラウド型のVDIサービス「FUJITSU Managed Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス VCC(Virtual Client on Cloud)」を販売開始している(既報)。

 レノボ、日商エレとの協業に関しては、3社共同でレノボのNutanixアプライアンス「Lenovo ThinkAgileHX」シリーズ上で稼働する仮想化ソフト「Acropolis Hypervisor(AHV)」とXenDesktopを組み合わせたVDIソリューションを開発、拡販していく。

シトリックス・システムズ・ジャパン 青葉雅和氏
シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 青葉雅和氏

 第1弾として、GPUを搭載したThinkAgileHX上でAHV(AOS5.1.3)とXenDesktopの組み合わせによる動作を検証し、推奨構成を策定してリファレンスアーキテクチャとして公開する。vGPU機能をサポートするAOS5.5のリリース後には、仮想GPU環境でもリファレンスアーキテクチャを公開する予定としている。

 「セキュアデジタルワークスペースを日本でもきっちり進めていく。最近では、働き方改革≒シトリックスと顧客に認識されるようになった。働き方改革については、何から手を付けたらいいか分からないという顧客がまだまだ多い。そのお手伝いをしっかりとしていきたい」(シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 青葉雅和氏)

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