Amazon Web Services(AWS)は米国時間11月30日、ネバダ州ラスベガスで開催中の年次イベント「re:Invent」において「AWS Cloud9」を発表した。AWS Cloud9は、ブラウザを用いてコードの記述や実行、デバッグを可能にする統合開発環境(IDE)だ。
AWS Cloud9は、迅速なコーディングを可能にするさまざまなIDE機能を搭載した「Ace Editor」と、コラボレーション用ツール、サーバレス開発のためのLambda関数を含むAWSインテグレーションという3つの汎用コンポーネントから成り立っている。
Amazonは2016年に、IDEを手がける新興企業Cloud9を買収している。
最高技術責任者(CTO)のWerner Vogels氏は基調講演で、ソフトウェア開発手法が変化してきている点を指摘している。セキュリティはかつてないほど重要となり、より多くの言語を扱う必要も出てきており、共同作業の必要性が増し、開発チームの拠点が地理的に分散する場合もしばしばあるという。
AWS Cloud9にはJavaScriptやPython、PHPをはじめとするさまざまなプログラミング言語で利用できるツールがあらかじめ同梱されているという。
Ace Editorには、入力時の構文チェックやオートインデント、オートコンプリート、コードの折り畳み、ペイン分割、バージョン管理システムとの統合、複数カーソル、複数選択といった一般的なIDE機能が搭載されている。さらにAWSは、コードが10万行を超えていても入力遅延が発生しないと述べている。また、20を超えるテーマが組み込まれているほか、Vimモードも用意されており、デバッグ用ツールもあらかじめ搭載されている。
AWS Cloud9では、サーバレスアプリケーションの編集、テスト、デバッグも実行できる。これを使って、新しいLambda関数を作ったり、「Serverless Application Model」テンプレートを利用したりすることが可能だ。Cloud9は、ローカルでのテストとサーバレス開発向けに、人気の高い「SAM local」ツールがプレインストールされた状態で提供される。
これはクラウドネイティブなIDEであるため、AWS Cloud9の使用で追加料金は発生しない。つまり顧客は、基となるコンピュートリソースとストレージリソースの分を支払うだけとなる。AWS Cloud9は米国西部(オレゴン)、米国東部(オハイオ)、米国東部(北バージニア)、EU(アイルランド)、アジアパシフィック(シンガポール)リージョンで利用可能になっている。
提供:ZDNet.com
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。