「ネットワーク事業者ならではのセキュリティサービスを提供している」
(IIJ 渡井昭久 常務取締役CFO)
IIJの渡井昭久 常務取締役CFO
インターネットイニシアティブ(IIJ)が先頃開いた2017年度(2018年3月期)第2四半期決算会見で、同社のCFO(最高財務責任者)である渡井氏がセキュリティサービスに言及した際に述べたのが冒頭の発言である。
IIJの決算会見ではこれまで個別事業の業績について、クラウドサービスとモバイルのみ公表してきたが、今回からセキュリティサービスとIoT(Internet of Things)分野の状況も個別に開示するようになった。(図参照)
そのうち、セキュリティサービスについて渡井氏は、次のように説明した。
「2017年度第2四半期の業績の伸びは前年同期比でほぼ倍増しており、今後も大幅な伸長が見込める。最近では特にDDoS(分散型サービス妨害)プロテクションに対する要望が、金融機関をはじめとした大手企業から急増しており、対応に努めている。DDoSプロテクションについては、ネットワーク事業者ならではのセキュリティサービスを提供しており、お客様からご評価をいただいている」
図:IIJのセキュリティサービスとIoT関連事業の状況
冒頭の発言は、このコメントから抜粋したものである。
IIJは2016年10月、セキュリティ事業の強化に向けて新ブランド「wizSafe(ウィズセーフ)」を立ち上げた。その下に同社のセキュリティサービスを統合し、新たに構築した情報分析基盤を核としたトータルなセキュリティ対策の提供に努めている。
同社は1994年に国内初のファイアウォールサービスを開始して以来、国内最大規模のバックボーンネットワークを運用するインターネットサービスプロバイダー(ISP)としての知見を生かし、各種セキュリティサービスを提供してきた経緯がある。
新ブランドのコンセプトは「安全をあたりまえに」。セキュリティが標準で組み込まれたサービスの提供を通して、ユーザーが脅威を意識せずにインターネットを安全に利用できる社会の実現を目指すとしている。
ネットワーク上でセキュリティ対策を講じるニーズは、今後ますます高まるだろう。それにしても「安全をあたりまえに」というコンセプトが前面に出てくることに、世の中の変わりようを感じるところである。