Amazon Web Services(AWS)の最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は、ネバダ州ラスベガスで開催中のイベント「re:Invent」の基調講演において、20を超える新機能やサービスを発表した。
米国時間11月29日午前中の基調講演ではIoTや機械学習が話題の中心となり、機械学習はその話題性に見合うだけのバズワードであるとJassy氏自身も述べていた。その一方、業界でバズワードとなっていながら同講演ではまったく触れられなかった言葉がある。それはブロックチェーンだ。
Jassy氏は基調講演後に報道陣と話をした際に、AWSはブロックチェーンの検討に多くの時間を費やしているものの、近い将来に注力されると顧客が期待すべきものではないことを示した。
同氏は「われわれの多くの顧客やパートナー企業が、AWS上でブロックチェーンを構築している、あるいはAWS上でブロックチェーンを利用するためのサービスを構築している」と述べたうえで、「われわれはそうした動きを注意深く見守っている」と述べた。
「ブロックチェーンのユースケースとして、分散型の台帳という使い方を大きく上回る実用的なものは、まだそう多く見えてきていない。われわれは、テクノロジ自体がクールだという理由でそのテクノロジを開発するわけではない。われわれがテクノロジを開発するのは、顧客の抱える問題を解決でき、そうしたサービスを構築することが問題解決に向けた最善の手段になると考えた場合のみだ」(Jassy氏)
Jassy氏によると、顧客がブロックチェーンを検討するユースケースの大半は、その他の手段を用いても解決でき、それら解決策のほとんどはAWSの既存機能で実現できるという。
同氏は、「このような問題を解決する方法は他にもある」と述べたうえで、「われわれは、顧客がその手段を用いて最終的に何を実現しようとしているのかについて大きな興味を抱いている」と述べた。
Jassy氏は親会社からスピンアウトする可能性について、AmazonとAWSのいずれも、まったく別の決算報告を行う必要性を認めていないため、スピンアウトは必要とされていることではないと述べた。
同氏は「私はAmazonに在籍して今年で20年になるが、何かについて絶対にあり得ないなどと絶対に言ってはいけないということをその間に学んできている」と述べ、「しかし、AWSをスピンアウトするというのであれば、私はとても驚くだろう。そういった必要性がないためだ」と続けた。
「AmazonはAWSの成長に必要な資本を投じることについて寛大な態度を取ってきている。実際のところ、大量の資本を必要としてきているのだ」(Jassy氏)
さらにAWSは同日、全米フットボールリーグ(NFL)やThe Walt Disney Company、Expediaなどが顧客となったことを発表した。
提供:Asha McLean/ZDNet
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。