ベリタステクノロジーズ テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員の高井隆太氏
ベリタステクノロジーズは11月30日、ペタバイト規模の非構造化データの保存に対応するSoftware Defined Storage(SDS)新製品「Veritas Cloud Storage」を発表した。12月4日からソフトウェア製品として提供されるが、今後はアプライアンス製品やオンラインサービスとしても提供を予定する。
Veritas Cloud Storageは、同社独自のデータ分類技術「Integrated Classification Engine」を組み込んだオブジェクトストレージ・ソフトウェア。汎用のIAサーバを組み合わせ、分散型のオブジェクトストレージをオンプレミスで構成できるほか、各種クラウド環境上でも運用できる。また、Integrated Classification Engineによってデータに多彩なメタデータを付与することで、インテリジェントなデータ管理を可能とする点が特徴となる。
概要を説明したテクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員の高井隆太氏は、同社が掲げる「360度データ管理」というコンセプトについて紹介。「データ管理に関する課題を全方位的に解決」することに取り組んでいくとした。その上で、従来はデータアクセス・プロトコルに応じて、「ブロックストレージ」「ファイルストレージ」「オブジェクトストレージ」といった分類を軸に展開されてきたストレージ製品を、データの特性に応じて最適化されたデータサービスとして展開するという同社の戦略を明らかにした。
米Veritas Technologies SDS製品群およびアプライアンス ポートフォリオ担当バイスプレジデントのDavid Noy氏は、「2014年に6ZB(ゼタバイト)だった非構造化データの総量は2020年には52ZBに増大。これは高精細ビデオなら1億5000万年分に相当する」という予測を紹介する。その上で、オブジェクトストレージが非構造化データの保存に適するとし、今回は同社初のオブジェクトストレージ製品としてVeritas Cloud Storageを投入する意味を明確にした。
Veritas Technologies SDS製品群およびアプライアンス ポートフォリオ担当バイスプレジデントのDavid Noy氏
同氏はVeritas Cloud Storageの機能を端的に、「企業が保有する全データに対する単一のカタログを作成すること」と表現。Veritas Cloud Storageでは、データに“Custom Metadata”を付与し、メタデータに基づいたデータ管理を行う。Custom Metadataはユーザーが独自に定義することも可能。データの保存場所の情報も保持するため、例えば、データをオンプレミスからクラウドに移動した際にも、このデータが今はクラウド上にある、という情報が保持される。これが、“単一のカタログ”という意味だ。
さらに将来の拡張に関して、クラウド側でIntegrated Classification Engineを稼働させ、クラウド上で更新したメタデータをオンプレミスのVeritas Cloud Storageに転送することでメタデータの継続的なアップデートをデータの保存場所によらずに維持する機能も追加される予定だという。
ベリタスにおけるSDSの特徴