アラガン・ジャパンは、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール「MotionBoard Cloud for Salesforce」、帳票ツール「SVF Cloud for Salesforce」、データ編集ツール「VyNDEX(ヴァインデックス)」を導入した。ウイングアーク1stが11月28日に発表した。
アラガン・ジャパンは、世界100カ国以上で多領域の治療を提供するアイルランドのヘルスケア企業Allerganの日本法人。主に皮膚科・美容外科・形成外科・眼科・乳腺外科を対象に、女性に対する医療・美容に特化したビジネス展開をしている。
Allerganでは、SFA(営業支援システム)/CRM(顧客関係管理)ツール「Salesforce」を世界各国で活用。直接販売向けの顧客マスターや医療機関情報、契約書なども管理していた。しかしながら、2016年4月からは別のCRMシステムをグローバルで利用することになり、日本法人がこれまで独自に利用していた機能は使えなくなってしまった。
そのため、アラガン・ジャパンではSalesforceを独自に導入することにした。テラスカイが構築を支援した。
日本独自のSalesforceを構築するに当たり、次の4つを実現しようと考えた。
- 毎日手作業で行っていたレポーティングを自動化する
- Salesforceの情報更新や大量のレコード作成を効率的にする
- 紙ベースでの申請作業をSalesforceに移行し効率化する
- 見積書・注文書をSalesforceから出力し、入力ミスをなくす
1つ目の「レポーティングの自動化」は、BIツールのMotionBoard Cloudを活用した。売上達成率・管理者用レポートなどはこれまで、Excelで加工した上で各担当者にメール添付で送っていた。そこで、毎日の売上達成率を集計し、営業担当者に自動配信するダッシュボードをMotionBoard Cloudで作成した。
また、サプライチェーンを担当する製品出荷部門は、Excelを使って1日3回の頻度で出荷状況を配信していたが、こちらも自動集計するダッシュボードを作成して対応している。
2つ目の「レコード作成の効率化」は、VyNDEXの機能を使って実現した。Excel上でSalesforceのレコードを一括変更してアップロードする作業だけで済むようになった。これにより、顧客データのメンテナンスをはじめ、特定の顧客にだけキャンペーンフラグを立てる、開催したイベントに参加した医師を一括登録して追加情報を事後に登録する、といった作業を迅速化した。
3つ目の「申請作業の効率化」と、4つ目の「見積書・注文書の入力ミスの最小化」にはSVF Cloudを活用している。
これまで、地方在住の従業員は複数枚が1セットになった申請書類を本社から取り寄せ、記入後も複数の責任者にサインをもらう必要があった。そのため、申請から承認までのプロセスに時間がかかっていたが、Salesforce上で帳票を出力するようにして省力化を進めている。
また、Salesforceの顧客情報や商談情報を見積書や注文書に反映するようにした。これにより作業効率が向上し、入力ミスも減少している。見積書などの情報がSalesforceに蓄積されることで、業務の引き継ぎも効率化したという。