SDN(Software Defined Networking)という概念や技術が登場して、早くも10年近くが経とうとしている。企業や組織では、2015年頃から主にデータセンターやLANにおけるSDNの適用が徐々に始まり、現在ではSDNの特徴を生かしたネットワークの運用やセキュリティソリューションもそろいつつある。そして、SDNの次なる適用領域として注目されているのが、「SD-WAN」だ。
SD-WAN(Software Defined Wide Area Network)が注目されるのは、なぜか。1つは、本社と拠点間や拠点同士におけるネットワークにおいて、ITシステムのクラウド化に伴うネットワーク構成の再構築の必要性が高まっているためだ。従来の拠点間通信では、基本的に専用線やVPNなどの閉域網を利用する。これらはセキュリティや通信の安定性という観点で優れる一方、ビジネスニーズに基づく変更やコストなどの面では、制約が少なくない。
このため、ソフトウェアベースによる論理構成を前提するSDNのメリットをWANの領域にも適用することで、従来の通信網のメリットを生かしつつ、より柔軟なネットワークの運用を低コストに実現できると期待されている。特に多拠点の組織においては、LANなどより先にWANにSoftware Definedのソリューションを導入する方がメリットを享受しやすいかもしれない。
2017年に始まったSDNの新たな潮流であるSD-WANの動向と将来性についての記事をまとめた。

SDNの“いま”を知る--次なる「SD-WAN」とは何か?