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RPA活用の盛り上がりは本物?--アビームが示す本格導入への“処方箋” - (page 2)

藤本和彦 (編集部)

2017-12-11 15:01

先進企業が抱える悩みと処方箋

 RPAの活用が進むとともに課題や悩みも明らかになってきた。RPA活用における悩みは、本格導入時の「活用促進」と「展開後の運用統制強化」に移りつつあるという。

 具体的には、PoC(実証実験)でRPAの有効性は示されたがどのように全社へ導入を広げるか、RPAの活用は広がりつつあるがITツールとしてどのように統制するか、といった課題だ。これに対して、安部氏は「3つの処方箋」を提示した。

 処方箋1は「RPAの威力を経営層に具体的に知らしめよ」というものだ。(1)実業務レベルでの変革、(2)業務量削減にとどまらない効果の広がり、(3)経営戦略実現に向けたRPAの重要性――という3つのポイントを経営層に訴求することで、RPA全社展開の起爆剤になると説明する。

 (1)については、担当者の実業務レベルで処理手順がどのように効率化するかをデモなどを駆使して具体的に伝達する。数値目標や削減率を挙げるだけでなく、実際の作業や作業手順も細かく示すとより説得力があるという。

 また、業務量の削減効果は定量効果として提示しつつもミスの削減やリードタイムの短縮などの定性効果も同時に提示すべきであり、RPAによる業務効率化は戦略上重要な業務に限られた人員を集中するための改革である点を訴求する必要がある、と安部氏は提案する(2、3)。

 処方箋2は「現場の改革意欲に火をつけよ」である。RPAが全社レベルに広がるには“部門横断パターン”と“草の根パターン”の2種類があり、現在、大多数の企業では後者のパターンでRPAの普及が進んでいるという。

部門横断パターンと草の根パターン
部門横断パターンと草の根パターン

 「部門横断、草の根のいずれのパターンでも、先進企業ではさまざまな工夫を凝らして現場の改革意欲に火をつけている」(安部氏)。例えば、大和ハウス工業では各部署融資の研究会を発足し、部門横断でのRPA活用を進めている。ブリヂストンの中国現地法人では、経営幹部と全部門長に対して説明会を実施、その場で全社トライアルが決定した。各部門に業務の洗い出しを指示し、1週間で30の業務を抽出した。

 NECマネジメントパートナーは、社内啓発セミナーを半年ごとに実施したり、体験コーナーを設置したり、啓発ポスターを作成したりするなど、草の根パターンでRPAの活用を促進している。

 処方箋3は「“支援”か“統制”か? スタンスに応じて体制構築せよ」である。全社展開時には組織的活用を支援・統制する機能が企業内に求められる。その機能を持つべき組織として「情報把握型」「支援型」「統制型」という3つの類型を提示する。

 情報把握型は、導入・運用は現場主導で、IT部門は特別な導入推奨をしないタイプだ。導入ノウハウなどは各部に依存し、全社的には蓄積されない状態。RPAがどのように使われているかガバナンス上のリスクがあるものの、RPAの活用実態があれば発見して統制をかけていく。

 支援型は、導入・運用は現場主導だが、IT部門が導入を推奨していくタイプだ。導入・運用のノウハウを集約して、各部に還元することで各部の活動を支援する。ガバナンス上リスクのあるRPA活用が起こらないような統制プロセスをあらかじめ構築する必要がある。

 統制型は、統制組織が全社視点でRPAの導入・運用を統制して現場に権限を渡さないタイプ。3つの中で一番縛りが強い体制である。導入・運用は統制組織が主導し、RPAの活用を強制する。導入・運用のノウハウだけでなく、展開計画自体を統制組織が策定・実行する。導入・運用は統制組織が行い、現場にガバナンスのリスクを残さない。

RPA導入プロセスにおける各類型別の統制機能
RPA導入プロセスにおける各類型別の統制機能

 最後に安部氏は、「RPAがアプリケーションの間を柔軟につなぐことで、デジタル時代の短サイクルな事業環境の変化に応じた最適なアプリケーション構築を超高速・低コストで実現する」とデジタルレイバープラットフォームの将来像を示した。

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