「われわれはそのアプローチを事業部門に浸透させて、何が起こるかを見てみることにした」と同氏は述べている。「その結果は劇的だった。われわれが進めた戦略には、利用促進とサポートの取り組みも含まれており、これには従業員が参加できるウェビナーも含まれていた。ウェビナーには、どうすれば新しい形の情報にアクセスできるのか、得られた知見で何ができるのかを知ろうとする者が、常に200人から250人参加した」
2.ビジネスインテリジェンスに終わりはない
House of Fraserでは、常にデータ戦略を見直している。同社は2016年末に、「MicroStrategy 10」の試用を始めた。この新バージョンでは、従業員が対話的に操作できるダッシュボードにアクセスできるようになっている。導入作業の大部分は2017年の第1四半期に完了したが、Burnett氏は、BIプロジェクトには終わりはないと述べている。
「私が目指しているのは、作成されるレポートの数を劇的に減らすことだ」と同氏は言う。「私はスタッフの貪欲な好奇心を満たすために、情報を呼び出すための動的なプラットフォームを提供したいと考えている。小売業は、好奇心を満たすツールさえ提供できれば、データをいくらでも活用できる業界であり、そのようなプラットフォームが提供できれば素晴らしい」
Burnett氏によれば、BIの導入によって、すでにさまざまなメリットが生まれているという。可視化ツールの幅広い導入と利用によって、社内全体の従業員が、在庫の有無や返品などの重要な分野におけるパフォーマンスについて、より明快な知見を得られるようになった。
またこの取り組みではセルフサービス式のデータ発見の仕組みが使われており、ユーザーは最短20分で双方向的なダッシュボードを作成できる。Burnett氏は、このようにエンパワーメントに力を入れることで、能力を持った従業員がデータを可視化し、顧客体験を改善する革新的な方法を見つけられるようになったと述べている。
「変革は、業績を改善したいと思っている、組織内のすべての人が起こすものだ」と同氏は述べている。「このため、データを集め、分析ツールを使い、実際に改善を行って結果を計測できるような模範的な取り組みをいくつか取り上げて広めている。それこそがこれらのツールの本当の力だ」