クラウドで届けやすくなったオラクル製品の価値
そこで、会見の質疑応答でその点を聞いてみたところ、竹爪氏は次のように答えた。
「中堅中小企業のお客様にとっては、これまでオンプレミスのオラクル製品を購入するのは費用面で躊躇(ちゅうちょ)されておられたかもしれないが、クラウドだとその面でも小規模な形から始められるので、この機会に多くの大手企業で使われているオラクル製品を自分たちも採用してみようという動きが大きくなってきていると実感している」
さらに、こう続けた。
「クラウドサービスの利用料金については、ユニバーサルクレジットモデルという、小規模な形から始めて少しずつサービスを拡張していく際に適用していただく有利な仕組みも用意している。また、これまでオンプレミスで提供してきたオラクル製品がクラウド版になって一層使いやすくなったとのご評価もいただいている。そうした点から、中堅中小企業の新しいお客様が増えているのは、オラクル製品の価値をクラウドによってお届けしやすくなったからだと考えている」
同社は2017年度(2017年5月期)、中堅中小企業向けのクラウド事業を強化するための営業組織「Oracle Digital」を新設した。Obemeier氏によると、「現在は200人規模だが、2018年度内に倍増させる予定だ」という。
ただ、同社の全売上高に占めるクラウド事業比率は2017年度でまだ5%を超えたところ。この割合が今後増えていくにつれ、新規顧客を増やし続けていけるかどうか。大いに注目しておきたい。