住友重機械工業とNECは12月13日、人工知能(AI)を使って産業機械の故障予兆を検出する実証実験に成功したと発表した。
実証実験では、プラスチック射出成形機のセンサ群から出力された時系列データを利用し、ボールねじが正常な場合と損傷を受けた場合のデータの差異検出が可能かどうかを検証した。AI技術群「NEC the WISE」の「RAPID機械学習」を活用した。
実証実験での両社の役割(出典:NEC)
その結果、1500あるデータセットを20分程で学習し、1データセットあたり0.4秒以内で正常と損傷のデータを高精度で判別できることが確認された。
RAPID機械学習は深層学習(ディープラーニング)技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習する。それにより、データの分類、検知、推薦といった高精度な判断が可能となる。
今後は実験結果をもとに、故障予兆における環境変動への耐性や損傷の種別・程度の判定について検証を進めていく。また、プラスチック製品の画像検品や成形条件の自動調整も視野に入れ、成形工程全体の機能向上を目指す。