FCC、「ネット中立性」規則の撤廃決定

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-12-15 09:25

 米連邦通信委員会(FCC)は、賛成3、反対2でネット中立性規則の廃止を承認した。

 2015年、オバマ政権時代に導入されたネット中立性規則は、インターネットプロバイダーにすべてのインターネットコンテンツを平等に扱うことを求めるものだ。

 FCCのAjit Pai委員長は2017年に入って、ネット中立性の廃止を提案した。FCCが2015年に電気通信法の「Title II」の規制をISPに適用する前にインターネットを統制していた「軽い規制枠組みに戻ること」を提案していた。それ以前、ブロードバンドサービスは「Title I」の情報サービスに分類されていた。

 一方、この規則を廃止すると、米国ユーザーがサイトやサービスを利用するのに悪影響が及ぶとの批判も長く続いていた。

FCC、「ネット中立性」規則の撤廃決定
提供:screenshot via C-SPAN

 Pai委員長は投票に先立って用意された声明で、「Title Iの軽い枠組みに戻ることで、消費者の支援と競争の促進につながる」と述べた。

 Pai委員長は、さらに次のように述べている。「ブロードバンドプロバイダーにとっては、特に未対応の分野にネットワークを構築し、ギガビットの転送速度や5Gにアップグレードする強い動機となるだろう。これは、ブロードバンドプロバイダー間の競争が激しくなることを意味する。また、新興企業にとっても大手テクノロジ企業にとっても、より多くのユーザーにアプリケーションやコンテンツを提供できる方法が増える。簡単に言えば、インターネットはより自由に、よりオープンになる」

 米自由人権協会(ACLU)など多くのプライバシー擁護団体や権利擁護団体は、この動きを非難し、規則撤廃と闘うと誓った。

 ALCUのJay Stanley氏は、コメントで次のように語った。「米国時間12月14日に行われたFCCの採決によって、通信会社がインターネットの利用方法に干渉を強め、オンラインの門番としての役割で金もうけに走るのを目にすることになるだろう」

 今回の規則撤廃が「自由な市場に影響」を及ぼすと懸念される中で、数人の米議会議員も14日の採決取り消しをFCCに呼びかけた

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    最も警戒すべきセキュリティ脅威「ランサムウェア」対策として知っておくべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]