「最新技術を活用してスポーツ選手の“働き方改革”を支援したい」
(シスコシステムズ 鈴木みゆき 代表執行役員社長)
シスコシステムズの鈴木みゆき 代表執行役員社長
シスコシステムズが先頃、卓球の石川佳純選手、張本智和選手と「アスリートアンバサダー契約」を締結したことを発表した。情報通信技術(ICT)の最新技術を活用して両選手の競技活動を支援するという。鈴木氏の冒頭の発言はその発表会見で、スポーツ選手の「働き方改革」の視点でサポートすることを語ったものである。
鈴木氏は会見で、「シスコは2020年に向けたビジョンとして『All Connected. Anything Possible.』を掲げ、世の中のあらゆるものを安全につなぐというコンセプトから、スポーツ分野でもスポーツの楽しみ方や選手のパフォーマンス向上、スポーツビジネスの変革に貢献していきたいと考えている」と語り、両選手には「当社のブランド価値の向上にも寄与していただきたい」との期待も込めた。
両選手とは今後、抱えている課題や要望をヒアリングした上で、シスコの技術でそれらの課題を解決すべく、コーチやチームメンバーとも協力しながら、新たなトレーニング方法や戦い方を構築していくとしている。
第1弾としては、テレビ電話などのコラボレーション技術によって、選手やコーチ、家族などとの円滑なコミュニケーションを支援。海外遠征などで選手が離れた場所にいても、いつでもリアルタイムに動画や情報を共有ながら、試合の対策を検討したりアドバイスなどを行うことができるようにするという。
会見には石川佳純選手も登場。シスコの鈴木氏および専務執行役員の鈴木和洋氏(右)とともに質疑応答に応じていた。
会見には石川選手も登場。「最新技術を自分のトレーニングや日々の生活に組み込めることを楽しみにしている。チームシスコの一員としてがんばりたい」と語り、最新技術を活用した練習の実演や質疑応答、写真撮影に応じていた。
画像処理技術でリアルタイムに球のコースや速度などを可視化する仕組み。石川選手が実演してみせた。
今回の会見を通じて筆者が感じたのは、特に最新技術として適用されているAIのスポーツへの活用は、AI活用という意味でベストマッチなのではないかということだ。どういうことかというと、スポーツでのAI活用は、あくまでもアスリートのパフォーマンス向上が目的で、AIはそのための支援ツールであり続けるということだ。自分とAIの関係もこうありたいものである。