日本ヒューレット・パッカード(HPE)は12月15日、米国で9月18日に発表したセキュリティソリューション「Aruba 360 Secure Fabric」の日本での本格展開を開始した。
Aruba 360 Secure Fabricについて同社は、「企業のセキュリティおよびIT部門が、巧妙化する多様なサイバー攻撃を迅速に検出し、対応していくための統合的なツールを備えた、マルチベンダー対応の360度全方位型セキュリティ・フレームワーク」だと説明している。
Aruba 360 Secure Fabricの構成
コンポーネント構成としては、「Aruba Secure コア」「アナリティクス」「ClearPass/IntroSpect」の3層を中核とし、マルチベンダーの“ヘテロ・ネットワークインフラ”を前提に、グローバルで100社以上のパートナー企業「360 Security Exchangeパートナー」が提供するセキュリティソリューションを組み合わせる形となる。
詳細を説明したAruba事業統括本部 技術統括本部長の佐藤重雄氏は、aruba 360 Secure Fabricの特徴を端的に「従来は別々に分離されていたネットワークとセキュリティの間の“壁”を壊し、真の多層防御を実現する」と表現した。
具体例を挙げるなら、セキュリティ製品が不審な挙動をしているデバイスを発見した場合に、その情報をスイッチやアクセスポイントといったネットワーク機器に伝えることで、そのデバイスをネットワークから切り離したり、検疫ネットワークにつなぎ替えたりといった統合的な対処を行うイメージだ。同様の取り組みは、ここ数年で「ネットワークベンダーがセキュリティを強化する形で実現する」という顕著なトレンドとなりつつあったが、HPE Arubaの場合は、セキュリティの部分を専業ベンダーとのパートナーシップに委ねる形で実現した。
上述の通り、セキュリティ技術を提供するパートナー企業は全世界で100社以上あり、国内での本格展開にあたってカーボン・ブラック・ジャパン、パロアルトネットワークス、マカフィーの3社が特に積極的な取り組みを行っている。HPEの本社に3社のエンジニアの協力を得て各社との連携ソリューションの検証/体験が可能な施設を開設している。
動作のイメージ
なお、主要コンポーネントのうち、セキュアネットワークプラットフォーム「Aruba Secure Core」と次世代NAC(Network Access Control)の「ClearPass」は、既に提供開始されている。人工知能(AI)/機械学習技術を活用して全方位のプロファイリングからリスクを算出する「IntroSpect UEBA(User Entity Behavior Analytics:ユーザーおよびエンティティ行動アナリティクス)」の国内投入は2018年第2四半期を予定する。
連携を表明したカーボン・ブラック・ジャパン カントリーマネージャーの西村雅博氏、マカフィー 代表取締役社長の山野修氏、HPE 代表取締役 社長執行役員の吉田仁志氏、パロアルトネットワークス代表取締役会長兼社長のアリイ・ヒロシ氏、HPE 執行役員 Aruba事業統括本部・事業統括本部長の田中泰光氏(左から)