2017年の売り主体:最大の売り手は個人投資家、次が投資信託
2017年最大の売り主体は個人投資家だ。東京証券取引所の統計では5兆7993億円売り越している(注1)。
注1:個人投資家の売り越し額は、実際にここまで大きくない。個人投資家が新規公開株を引き受けて上場後に売却した場合、統計上、買いはカウントされず売りだけがカウントされる。5兆7993億円から個人投資家が新規公開株を引き受けた金額を差し引いたものが本当の売り越し額となる。ただし、それでも個人が最大の売り越し主体であることに変わりない。
2017年の日本株売り主体

注:プラスは買い越し、▲は売り越しを示す
出所:東京証券取引所「二市場一・二部 投資部門別売買状況」
次に売り越しが大きいのが投資信託の1兆2246億円だ。ほとんどは個人投資家による投資信託の解約によるものである。つまり、売りはほとんど全てが個人投資家ということになる。
ちなみに、2017年の最大の買い主体は日本銀行で5兆7509億円を買い越している。ということは、簡単にまとめると、2017年は個人投資家が大量に売った日本株を日本銀行がひたすら買いまくった年ということになる。
ところで、個人・投信に次いで売り越しが多いのは金融法人(信託勘定での売買を除く)である。金融法人と事業法人の間の株式持合いを解消する売りが続いている。
信託勘定の2017年は小幅の売り越しだった(注2)。年金から日本株にアセットアロケーション調整の売りが出たと推定される。
注2:信託勘定の売買は主に年金の売買が反映される。日銀のETF買いが信託勘定の買いに反映されたこともあるが、最近は日銀のETF買いは証券自己を経由して出ていることが多いと推定される。