海外コメンタリー

成長続くクラウドとデジタル分野のグローバル化を阻む壁 - (page 4)

Steve Ranger (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2018-01-22 06:30

 これらリーダーの半数以上は、グローバリゼーションに対する障壁の高まりによって、何らかの制限が加えられるようになると考えている。制限の内訳は、クラウドベースのサービスを利用/提供する能力(同意は54%、同意しないは14%)のほか、データサービスやアナリティクスサービスを国内市場をまたがって利用/提供する能力(同意は54%、同意しないは15%)、異なる国のIT規約をまたがって業務を効率的に運営する能力(同意は58%、同意しないは18%)となっている。

 また半数以上の回答者は、障壁の高まりによって再考を迫られる対象として、自社のグローバルITアーキテクチャ(60%)や、物理的なITロケーションに関する戦略(52%)、サイバーセキュリティ関連の戦略/能力(51%)、地域/世界のITサプライヤーとの関係(50%)を挙げている。

 それでもベンダーにとっては、特定の国や地域向けにクラウドコンピューティングサービスでこうした個別対応を適用することが、成功に向けた戦略ともなっている。クラウドサービスの採用は目覚ましいペースで続いており、中国のような国で急速な成長を遂げているのだ。

 451 ResearchのバイスプレジデントWilliam Fellows氏は「これはフラグメンテーションではなく、繁栄に続く道だ」と述べている。同社は、2019年までにワークロードの60%が何らかのかたちのクラウドサービスでホストされると予測している(ちなみに現時点では45%となっている)。

451 Research クラウド
提供:451 Research

 同氏は「新しくデータセンターが開設された国やリージョンでは成長の加速が見られる。実行やデータストレージという点から見た場合、一部のワークロードでは主権が重要となる。つまり実行場所や格納場所が重要となる。しかし、監査プロセスという点から見た場合、特定の主権に関わる要求の有無にかかわらず、そのロケーションが重要となってくる」と述べている。

 IDCは、2021年にはクラウド関連の売上高が世界全体で5540億ドルに達する、すなわち2016年の2倍以上になると予測している。同社の上級バイスプレジデント兼チーフアナリストのFrank Gens氏は「この予測から導き出せる最も明らかな帰結は、クラウド消費モデルに向けたあらゆる形態のシフトが加速され、同予測期間にわたって続いていくというものだ」と述べている。

 「しかし、大手のパブリッククラウドサプライヤーによってもたらされるテクノロジイノベーションの着実な歩みのおかげで、パブリッククラウドを採用しないITの利点を企業や開発者が見つけ出すのは事実上不可能になるという点も同じくらい重要だ」(Gens氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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