総務省は11月9日、「AIネットワーク社会推進会議 環境整備分科会・影響評価分科会 合同分科会(第2回)」を開催した。
総務省では2016年10月から、社会全体でのAIネットワーク化の推進に向けた社会的・経済的・倫理的・法的課題を総合的に検討することを目的とし、産学民の有識者の参加による「AIネットワーク社会推進会議」を開催している。
筆者自身もAIネットワーク社会推進会議 影響評価分科会の構成員として参加しており、本分科会にて、「AIネットワーク社会とエコシステム」について、発表したので、その内容を中心に紹介する。
総務省のAIネットワーク社会推進会議では、11月以降の検討体制に一部変更があり、これまでの環境原則分科会と影響評価分科会から、環境整備分科会と影響評価分科会にて議論・検討を行う。
AIネットワーク社会推進会議 環境整備分科会・影響評価分科会 2017.11
影響評価分科会では、AIネットワーク化が社会・経済の各分野にもたらす影響の評価(分野別評価(9分野))や、AIネットワーク化をめぐって形成されるエコシステムの展望、今後の課題の抽出などが、テーマとなっている。
AIネットワーク化をめぐって形成されるエコシステムの展望では
- AIシステム相互間の円滑な連携の確保
- 競争的なエコシステムの確保
- 人間とAIシステムとの関係の在り方に関する検討
- ステークホルダ間の関係の在り方に関する検討
- 技術開発に関する課題
などについての議論・検討を行う。
ビジネス観点でのエコシステムとは、業界の枠を超えた多種多様な事業者がパートナーシップを組み、相互の技術や資本および営業チャネルなどを生かし、グローバル規模での競争と共創を通じて、健全な収益の循環を生み出すモデルと考える。
AIネットワーク社会におけるビジネスエコシステムが形成されることで、AIをベースとした新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて、新たな価値や雇用を創出し、競争上の優位性の確立や社会課題の解決に寄与することが期待される。
AI関連では今後、大きな市場成長が見込まれている。調査会社のIDC Japanは11月15日、「国内のコグニティブ/AI(人工知能)システム市場予測」を発表した。2016年の市場規模はユーザー支出額ベースで158億8400万円となり、2021年には2501億900万円まで急速に拡大すると予測している。
IDC Japan国内のコグニティブ/AI(人工知能)システム市場予測 2017.11.15