NTTデータは12月20日、人工知能(AI)を用いた分析業務を自動化する分析オペレーション自動化フレームワーク「AICYCLE(アイサイクル)」を開発したと発表。2018年1月から正式提供を開始する。
AICYCLEは、AIが予測分析をする際の判断ロジックとなる「予測モデル」を自動的に評価・更新するフレームワーク。当初作成した予測モデルを使い続けていると、環境の変化により、予測精度の低下(予測モデルの陳腐化)が起きることがある。AICYCLEを活用することによって、予測モデルを自動的に評価・更新でき、データサイエンティストなどの専門家による調整が不要となるとしている。
AICYCLEの全体像(出典:NTTデータ)
AICYCLEは、(1)予測モデル構築に必要なデータの前処理(ETL)・蓄積、(2)予測モデルの精度低下を検知・再構築することで予測精度を維持、(3)予測の結果、実績データに加えて、過去運用した予測モデルを保存・管理、(4)機械学習フレームワークは、顧客の要件・インフラ制約などに合わせて選択可能――といった特徴を持つ。
また、予測モデルを再構築しても予測精度が低い場合は、予測モデルの運用を停止することができる。過去に利用したデータや構築した予測モデル・予測結果・実績などを保存・管理しているため、それらを基にデータサイエンティストが解析を行い、新たな予測モデルを構築することが可能となっている。
正式提供に先立ち、三菱重工航空エンジンの航空エンジンブレード製造工程に試験導入され、不適合品の早期発見と工程改善の効果について実証実験が行われた。その結果、今まで2カ月かかっていた予測モデル更新の所要時間を2分に短縮し、不適合製品の発生割合を47%削減、メンテナンスにかかる工場の停止時間を25%削減するなどの効果を確認した。三菱重工航空エンジンでは、AICYCLEの適用拡大を検討していく予定。