早くも年末になってしまったが、今年も筆者の働き方改革は失敗に終わったようである。筆者の場合、理想的には釣り20%、アーティスト 50%、ITの仕事30%くらいが良いなと思っているが、終わってみると釣り3%、アーティスト7%、ITの仕事90%くらいになってしまったようである。
これは時間配分の比率だが、マネタイズということになるとさらに悲惨なことになる。今年も釣りは、全部自分で食べてしまったのでマネタイズゼロである。これやっぱり、釣った魚を流通させる手段がないのが大いに問題だ。
2016年にスタートした「ポケットマルシェ」というサービスは、そんな釣り師にも希望を抱かせる。こちらはプロの漁師や農家を対象としたサービスであるが、生産者と消費者を直接モバイルでつないで流通させる仕組みである。
中間業者がおらず、直接に生産者とコミュニケーションを取りながら食材を買えるところに特徴がある。今年9月にメルカリなどが出資するファンドに対する第三者割当増資を行っているが、顧客の指向性に共通したものがありそうである。
ちなみに、われわれ釣り師は、釣れ過ぎちゃってもついつい自己顕示欲が邪魔して魚をクーラーに放り込んでしまいがちで、これを船宿経由で流通市場に回してくれると非常にありがたい。どのくらい釣れているかは、船長が把握できるから、リアルタイムで釣果情報が配信可能だ。
いっつも、大物が釣れると船長に二カっと笑ってるところを写真に撮られるのだが、これを船宿のホームページに夜に載せるんじゃなくて、リアルタイムで配信すれば良いのである。で、船が戻ってくる午後2時から3時頃に船宿を回れば新鮮な魚が調達できる。まぁ、そんなことは自分だとめったにないんだけど、船全体で見ると、きっと流通させられるくらいは釣れてると思うんだが。
さて、3%にとどまる釣りの成果をどこまで上げられるかは、これから年末までの1週間、そして年始のスタートダッシュに掛かっているのである。そして、副業を活性化させるには、新しい流通の仕組みが必要だ。あと、釣れてる船から釣れてない船に魚を融通する仕組みも欲しいな。
皆さま、良いお年を。
飯田哲夫(Tetsuo Iida)
アマゾンウェブサービス ジャパンにて金融領域の事業開発を担当。大手SIerにて金融ソリューションの企画、ベンチャー投資、海外事業開発を担当した後、現職。金融革新同友会Finovators副代表理事。マンチェスタービジネススクール卒業。知る人ぞ知る現代美術教育の老舗「美学校」で学び、現在もアーティスト活動を続けている。報われることのない釣り師