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日本株展望

日銀が買い支える日本株は売り?--「年6兆円の買い」はいつまで?

ZDNet Japan Staff

2017-12-27 11:00

今日のポイント

  1. 2017年の最大の買い手は日本銀行
  2. 日銀の買いがなかったら日経平均はもっと安い水準に留まったか
  3. 日銀は個人投資家の買いの機会を奪っただけ
  4. 日本株の買い手として日銀の存在がどんどん大きくなっている
  5. 日銀が買い支える日本株は売りか
  6. 日銀はいずれ年6兆円規模の買い付け額を縮小しなければならなくなる

 これら6点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

2017年の最大の買い手は日本銀行

 2017年の日本株の最大の買い手は日本銀行で5兆8268億円も買い付けている。次が事業法人(主に自社株買い)で1兆1724億円買い越しである。外国人の買い越しは意外と少なく6453億円だ。

2017年の日本株主体別売買、買い越し・売り越し上位3主体:日本銀行は12月26日まで、ほかは12月15日まで

2017年の日本株主体別売買、買い越し・売り越し上位3主体''
注:日本銀行は直接日本株を買っているわけではない。上記に記載しているのは日本銀行のETF買付額。日本銀行が買い付けるETFを組成するために証券自己部門などが日本株を買い越す。プラスは買い越し、▲は売り越しを示す。金融法人は信託銀行を除くベース
出所:日本銀行のETF買付額は日本銀行、事業法人・海外投資家は東京証券取引所「二市場一・二部 投資部門別売買状況」

 2017年の最大の売り手は個人投資家で5兆7993億円売り越している(注)。次が投資信託で1兆2246億円の売り越しである。主に個人投資家の投信解約売りと考えられる。その次に多いのが金融法人の1兆1102億円だ。

 以上をまとめると、2017年は個人投資家が大量に売り、日銀が大量に買った年ということになる。

注:個人投資家の売り越し額は実際にここまで大きくない。個人投資家が新規公開株を引き受けて上場後に売却した場合、統計上買いはカウントされず売りだけがカウントされる。5兆7993億円から個人投資家が新規公開株を引き受けた金額を差し引いたものが本当の売り越し額となる。ただし、それでも個人が最大の売り越し主体であることに変わりない。

日銀の買いがなかったら日経平均はもっと安い水準に留まったか

 主体別売買を見ると日銀が大量に買って日本株を支えているように見える。日銀の買いで日経平均は2000円くらいかさ上げされているという人もいる。もし日銀の買いがなかったら日経平均は2万1000円前後に留まっていたのだろうか。

 筆者はそのようなことはないと思っている。日銀の買いがあってもなくても、日経平均は現在の水準(2017年12月26日時点で2万2892円)に近いところにあると思う。なぜならば、2017年も日経平均を動かしていたのは外国人投資家だったからだ。

 外国人が買うと上がり、売ると下がる状況は2017年も変わらなかった。日経平均が急落するときは外国人が売っていた。日経平均が高値を取るときは外国人が買っていた。

 外国人は日本の景気・企業業績や世界の政治経済の動きをにらみつつ、日本株が売りだと思えば売り買いだと思えば買っていただけである。日銀の買いがなくても外国人は日経平均を2万3000円前後まで買い上げていたと思う。

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