日銀は個人投資家の買いの機会を奪っただけ
それでは、日銀の買いは何に影響したのだろうか。日銀は日経平均が下げた日に大口買いを入れることを徹底している。外国人が売りに回ったときにすかさず買って、日経平均が大きく下げるのを防いできた。
個人投資家は日経平均が上がる局面で売り、下がる局面で買う傾向が極めて鮮明である。2017年は外国人が買って上がる局面でどんどん売っていた。ところが、外国人が売って日経平均が下がる局面であまり買えていない。日銀が先んじて買いを入れ、日経平均の下落を抑えているからである。もう少し下がれば個人の買いが増えるところで、日銀が買って下げを防いでいた。
日銀は個人投資家が買う分を先に買ってしまっただけと見ることができる。また、外国人の買い越しも日銀が買っていなければもっと大きかったと考えられる。
日本株の買い手として日銀の存在がどんどん大きくなっている
日銀はこれまでに16兆円超の日本株ETFを買い付けている。今のペース(年6兆円)で買い続けると、1年後に22兆円、2年後に28兆円の日本株を保有し、GPIF(日本最大の公的年金)に次ぐ大株主となる。
日本銀行による日本株ETFの累積買い付け額推移:2011年1月~2017年11月

出所:Bloomberg
2015年から買い付けペースが上がっている。2015年は年3兆円(月平均2500億円)ペースで買い付けを行った。2016年に入ってからは年3兆3000億円(月平均2750億円)に買い取りペースを上げた。2016年8月からは買い取りペースをさらに大幅に引き上げ、年6兆円(月平均5000億円)とした。