調査

人とマシンの協調関係は新時代に突入--デルの2018年予測

NO BUDGET 2017年12月28日 06時00分

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 Dell Technologiesの未来研究所が2018年以降の予測を発表した。それによると、人とマシンの協調関係は次の時代に入りつつあり、今から2030年までの間に人とマシンはお互いにより緊密に協業し、生活に変革が起こるという。

 予測の概要は以下の通り。

予測1:AIが「考える仕事」を高速に行う

 今後数年で、人工知能(AI)はユーザーによるデータ収集だけではなく、データに基づいて行う時間の使い方を変革する。企業はデータ主導の「考える仕事」にAIを活用するようになり、全ての新しいイノベーションの範囲設定、議論、シナリオプランニング、テストなどに要する時間が大幅に短縮される。

 AIが人の仕事を奪うという意見もあるが、これらの新しいテクノロジは新しい仕事も作り出し、新たな機会が大きく広がる。例えば、AIのトレーニングや微調整に特化した新しいタイプのITプロフェッショナルが登場するだろう。

予測2:IQ of Things(モノのIQ)の埋め込み

 2018年からは、IoTによって強化した都市、組織、一般住宅、自動車へほぼ瞬時にインテリジェンスを埋め込むテクノロジの実現に向けて、大きく歩み始める。膨大な数になったコネクテッドデバイスの全てが1つになった巨大なデータ環境、処理能力とAIの力によって、マシンは物的資源と人的資源のより優れた調整をサポートするようになるだろう。そして人は、テクノロジーおよび人々を取り巻くさまざまな環境の「デジタルコンダクター」(デジタルの指揮者)へと進化するだろう。

予測3:人類はARヘッドセットを着用するようになる

 そう遠くない将来、「本当の」現実とARの境界も明瞭ではなくなり始めるだろう。拡張現実(AR)の商業的な有効性は既に明らかで、例えば、建設作業者、建築家、エンジニアのチームであれば、ARヘッドセットを使って新築建造物を視覚化し、進捗状況に対する共通のビジョンに基づいてそれぞれの仕事を調整できるとともに、現場に技術者が不在の日でも作業員のトレーニングを行うことができる。

 また、仮想現実(VR)も当然ながら大きな可能性を持つテクノロジ。VRの没入体験によって近い将来エンターテインメントとゲームの世界を変革することに疑いの余地はないが、ARも人間の効率を最大化するとともに進化する労働力の「部族の知識(tribal knowledge)」を活用する既定の手段になりつつある。

予測4:顧客との関係の深化

 デル テクノロジーズのDigital Transformation Index(デジタル トランスフォーメーション インデックス)によると、中~大規模企業の45%のリーダーが、5年以内に自社が時代遅れになるかもしれないと考えており、スタートアップ企業が自社のビジネスにとっての脅威であると認識している割合は78%に上る。

 2018年にかけて、予測アナリティクス、マシンラーニング(機械学習)、AIを最先端に、企業はニーズの発生時、場合によってはニーズが発生する前の段階で、お客様を理解してサービスを提供することが可能になるだろう。カスタマーサービスは人とマシンの完璧な融合が中心になり、顧客とのコミュニケーションを第1世代のチャットボットや事前に定義したメッセージに任せるのではなく、人間および自動化したインテリジェントな仮想エージェントが1つのチームとして連携して対応するだろう。

予測5:バイアスチェックが次のスペルチェックになる

 今後10年にかけて、VRやAIなどの新興テクノロジによって、人間は適切な場面では自らが判断しながら、感情や外部的なバイアス(先入観、偏見)なしに情報を見つけて行動できるようになるでだろう。

 短期的には、企業の採用や昇進の手続きにAIを応用することで、意識的・無意識的なバイアスのスクリーニングが行われるようになっていくだろう。一方、VRは面接ツールの1つとしてますます使われるようになり、例えば、アバターによって採用希望者の本来の姿を覆い隠すことで、長所や価値、実績に基づいて平等な採用の機会を実現することが可能となる。このような形で新興テクノロジーを活用することによって、やがて「バイアスチェック」は「スペルチェック」のような定番のチェック機能になるかもしれない。

予測6:メディアおよびエンターテインメントはeスポーツによって新たな分野を切り拓く

 2018年、ますます多くのプレーヤーが画面の後ろに座り、VRヘッドセットを着けて、コンピュータが創り出した高解像度の世界で戦うようになる。数億人のプレーヤーと観戦者がオンラインで参加するeスポーツは、メジャーな存在になるだろう。

 eスポーツ現象は、スポーツのように典型的な「人間の」活動が、デジタル化されるようになっていく、より幅広いトレンドを指し示してもいる。テクノロジーは、「スポーツ」をあらゆるタイプのユーザーに広げた。誰も、一定の体格や体型である必要はなく、速い触覚反応や運動能力があれば、誰でもプレーして勝利することが可能になる。

 また例えば、サイクリングをはじめとするスポーツは、徐々にではあるもののデータを活用するなど革新的な技術の進歩により、競技人気の向上を実現している。未来において、全てのビジネスはテクノロジビジネスとなり、私たちの娯楽はコネクテッドエクスペリエンスになるだろう。

予測7:「メガクラウド」に向けた歩みが始まる

 2018年、企業は雪崩を打つようにマルチクラウドアプローチへと移行し、パブリックからプライベート、ホスティング、マネージド、SaaSまで、全てのクラウドモデルの価値がもたらすメリットを活用するようになるだろう。ただし、多様なクラウド環境に移行するアプリケーションとワークロードが増えるのに伴い、横の連携がないクラウドの「サイロ」が増殖することは避けられず、データアナリティクスやAIイニシアチブによってデータの価値を最大限に引き出す企業の能力は制約されるだろう。

 次のステップの1つとして、「メガクラウド」が出現するだろう。メガクラウドでは、複数のプライベートクラウドとパブリッククラウドがつなげられ、首尾一貫した総体的なシステムとして機能を提供し、メガクラウドは、IT環境全体に対する連携したインテリジェントなビューを提供する。

予測8:細部にまで神経を届かせる年に

 相互接続関係がますます進んでいる現在の世界において、外部の第三者に対する依存度はかつてないほど高くなっている。企業や組織は単なる微小な存在ではなく、より大きな存在の一部として高度に相互がつながったシステムとなっている。想像もできなかったような手段でテクノロジーが企業や組織を結びつけている現在、どこかで発生した混乱の影響は、かつてないほど遠くまで、またこれまで以上に速いスピードで広がっていく。過去最大級の1つとされるデータ漏えいの事案は、サードパーティのHVAC(空調)システムへのログインIDを使った攻撃者によって行われた。

 このように人とマシンの関係がますます密につながるようになったことで、ほんのわずかなミスが大規模な障害につながることも十分あり得る。このような状況を背景に、またEU一般データ保護規則(GDPR)をはじめとする数多くの新たな規制の出現によって拍車がかけられる形で、来年は多国籍企業にとって行動の年になるだろう。データを効果的に保護するとともに脅威を抑止するためにサイバーセキュリティツールとテクノロジの導入を優先することは、必須項目としての重要性がますます高まっていくだろう。

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