#5:担当者の抵抗を和らげ、訓練を提供する
社内の抵抗や、失職の恐れが、自動化やロボットといったデジタル変革技術を採用する従業員の前に立ちはだかる可能性がある。また、自らの作業方法に慣れ親しんできているため、変革を望もうとしない人たちも数多くいる。こういった理由により、社内の抵抗はデジタル変革プロジェクトに対する本当の脅威となり得る。
これにより、CIOをはじめとする関係者全員にとって、デジタル変革プロジェクトを推進するうえで、プロジェクトの影響が及ぶ従業員らとのつながりを保ち続けることが重要となるわけだ。これは従業員の懸念と痛点を理解し、コミュニケーションを頻繁かつ透明に保ち続け、彼らが新しい方法で自らの作業をこなすために必要となる学習をサポートすることで実現できる。その実現には、新たな技術の訓練をそれぞれのデジタル変革における必須項目として含めておくのがよいだろう。
#6:IT部門と他部門とのホットラインを常に有効にしておく
他部門は依然として、IT部門を業務とは隔離された統制部門だと認識している。デジタル変革が複雑な技術プロジェクトに重点を置いている場合、そのような認識はなかなか変わらないが、そのままにしておいてはいけない。ホットラインを有効にしておくとともに、プロジェクトにおける活発なコラボレーションを維持するのは、CIOが最優先で全うすべき責務だ。また、プロジェクトのリーダーが同様のオープンさと一体感を醸成することもCIOの腕にかかっている。CIOはベストを尽くすうえで、「歩き回るマネジメント」(MBWA)、つまり自らの机を後にして、定期的にIT担当者やユーザー、マネージャーのもとを訪れるというプラクティスを実践し、つながりを密に保つようにするべきだ。
#7:ベンダーのデジタル変革に向けたコミットメントを確認する
組織のデジタル化が目標である場合、契約しているベンダーも、会社の変革が向かう方向と一致する技術と技術計画を持っている必要がある。ベンダーと打ち合わせを実施し、その点を確認してほしい。そういった場では、ベンダーがデジタル変革に向けた製品に対して現在、そして向こう数年間というスパンで具体的にどのような作業を実施し、また実施しようとしているのかを問いかけてほしい。彼らが実施しようとしていることと、自社が重視していることは一致している必要があるため、彼らの計画を具体的に押さえるようにしてほしい。食い違いがある場合は、他のベンダーを探し始める必要があるだろう。
#8:社外の顧客やビジネスパートナーのニーズを盛り込む
サプライチェーンが長大であり、膨大な数のサプライヤーがいる企業は、それらすべてのサプライヤーがデジタル変革という取り組みのなかで同じ価値基準を有しているという前提を置いてはいけない。これは主なビジネスパートナーについても言える。つまり、サプライチェーンすべてをデジタル技術に移行しようとしても、一部のサプライヤーはファックスを使い続けるだろう。CIOは自社をデジタル化と自動化に向けてけん引していく際に、こういったことも織り込んでおく必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。